« 気柱 4 減衰しにくい定常波の形 | トップページ | 気柱 5 指数減衰モード(1) »

閉軌道 1 はじめに

ケプラー問題と閉軌道 1 はじめに 気柱共鳴での開口端補正と並行して、いま考えている問題があります。それは、ニュートン力学でのおなじみの3次元のケプラー問題で、中心力ポテンシャル V(r) がどのようであれば、すべての軌道が閉じるのか、という問題をちょっと一般化した問題です。

最初にニュートン力学での状況を振り返っておきます。
V(r) = -k r-1 の場合が通常の万有引力でのケプラー問題で、この場合には楕円軌道になることが知られていますから、小さいエネルギーに対して、すべての軌道が閉じます。

また、 V(r) = k r2 の場合が等方調和振動子で、この場合には
V(r) = k (x2+y2+z2) と3方向に分解し、各方向の運動とも同じ周期の単振動となるので、やはり軌道は閉じます。

実は、ポテンシャルが球対称ならば、すべての(低エネルギーの)軌道が閉じるのは、上の2つの場合だけです。

そこで、この問題を3つの方向に一般化した、次のような問題を考えてみることにします。

A) 球対称でないポテンシャルではどうか?
B) 3次元空間を、一般の3次元多様体にして考えるとどうなるか?
C) 相対論的にはどうなっているか?


表に整理して説明しますと、次のような問題を考えてみようというわけです(命名は、私の独断で決めました)。

  R×R3 R×M3 4
球対称 a) ケプラー問題 c) 多様体上のケプラー問題 e) 時空でのケプラー問題
球対称とは限らない b) 一般ケプラー問題 d) 多様体上の一般ケプラー問題 f) 時空での一般ケプラー問題


a) は普通の中心力場の中のケプラー問題で、空間は3次元ユークリッド空間 R3 です。x=(x(t),y(t),z(t))として、ラグランジアン
   L = 1/2 (dx/dt)2 − V(r)

で決まる質点(質量は1としています)の(低エネルギーの)運動は、どのようなポテンシャル V(r) に対して常に閉じるか、という問題です。これは上で述べたように、すでに答がわかっています。

b) は、a) と同様な問題ですが、ポテンシャルを球対称と仮定しない点が違います。つまり、V(x,y,z) で考えるわけです。変分法の利用とかいろいろ考えていますが、これについては今のところ(2次元に落とした問題ですら)、私には全く暗中模索の状態です。3次元調和振動子で、3方向の角振動数が有理数の比をなす場合には軌道が閉じますが、その他に条件を満たす、球対称でないポテンシャルがあるのかどうか、全くわかりません。

c) は、球対称性をもつ3次元リーマン多様体上で、a)と同様な問題を考えてみよう、ということです。これについてはいくつか部分的な結果を得ています。定曲率空間(S3や双曲空間)で、ラプラス方程式の解になるポテンシャル V(r) に対して、すべての(低エネルギーの)軌道が閉じます。

ふつうのケプラー問題での近日点方向のベクトル(ルンゲ・ラプラス・レンツベクトル)に当たる保存量も存在します。

また、どの程度、物理的意味があるかわかりませんが、上の場合に、適当に定義した量子論(第一量子化)で水素原子のエネルギー準位を計算すると、それが空間の曲率によって変わることがわかります。(結構面白い結果ではないか、といってくれた人もいますが、どうなんでしょう?)

d) は今のところ、手をつけていません。

e) は、球対称な(かつ静的な)時空で、すべての低エネルギーの測地線が閉じるような、時空のメトリックを決定する、という問題です。a) やc) では、ポテンシャルは外から与えました(だから、別に重力ポテンシャルでなく、クーロンポテンシャルでも構わなかったのです)が、ここでは重力だけを想定しています。これについては現在、調べている途中です。なにか結果が出たら報告できるかも知れません。シュワルツシルト計量は、近日点移動とかがあるので、たぶん、ダメでしょう。アインシュタイン方程式の真空解にはこだわらずに、一般のメトリックで考えています。

f) は全く手を付けていません。

というわけで、気柱共鳴の話の合間に、a), c) あたりからお話ししていこうと思っています。これらの問題について、過去にどんな研究がなされてきたか、ほとんど知らないので、ご存じの方がいらしたら、教えていただけるとうれしいです。

では。




|

« 気柱 4 減衰しにくい定常波の形 | トップページ | 気柱 5 指数減衰モード(1) »

「ケプラー問題と閉軌道」カテゴリの記事

コメント

 ばん まさのぶといいます。「球対称性をもつ3次元リーマン多様体上でいくつか部分的な結果を得ています。」とありましたがどんな結果でしょうか?とても興味があります。
 たぶん一つの具体的な形はトーラスの面空間です。オイラー数でトーラスとなるものは、辺と頂点の連結で空間を表すと、2次元の平面では無限に拡がった碁盤目様の道と交差点を量子が辿る現象になるようです。
 たとえばその構造の流体現象では1/f雑音を発生し、同じ1/f雑音を発生する形に1次元では無限に続いた障壁列に現れるトンネル現象があります。1/f雑音が発生する共通点を調べてみると、それもトーラス形状の渦運動という特殊な共鳴に原因があるようなのです。
 1/f雑音を説明すれば普通の共鳴と違って1周波数に最大強度のピークを持ちません。しかしそのかわり、とぎれのない連続した帯域を周波数に広く持ち、強度が周波数に反比例した性質を持つところに特徴のある、かわった性質のある共鳴です。しかし普通の共鳴がそうであるように振動運動の保有全エネルギーが周波数間に従属の関係をしています。
 とくに1/f雑音では独立関数のいくつかに従属することから、フーリエ変換後には1/fを中に含んだ独立関数を基底とした級数に変形することができます。
 共鳴を手がかりに考えると、空間に現れる他の形と共鳴のありようには関連があり、それらはトポロジー学のオイラー数から区別できそうです。
 そのためオイラー数で区別して空間を正多角形と考えると、空間の形が見えてくるのではないでしょうか。私は天文学のケプラーが主張した正多角形はその現れではないかと思うのです。
 物理上4次元を超えた多次元空間は可観ではないのですが、共鳴が可観以外の他次元にあると疑いを示した1例があります。それは黒体輻射です。
 ランダムな量子(光子)の輻射と考えられている黒体輻射(空洞放射)の波数空間に現れる量子性には観察では見えないはずの共鳴の様子が垣間見えるのです。
 プランクの放射の式では弦の共鳴と同じように共鳴波が球形内の波数空間に存在し、そのドレミの鍵盤数(高調波)を数え上げることから、プランクの放射の式ができあがっています。輻射現象には一見正規分布状の輻射率が起きていることから根源がランダムな現象と見なされやすい黒体輻射ですが、共鳴です。
 弦の共鳴と同じように鍵盤(フレット)が素数の分母から分数を作っているとわかるのです。共鳴がどこかの次元に存在しても、可観現象では中心極限定理が正規分布のように見かけさせているのです。
 たとえば化学の周期律表は多重の共鳴が構成したオクターブ則からできあがっているに違いないのです。
 調べてみると量子力学の存在確率と状態数の積は素数の連分数からできたガンマ関数を中心とした超関数と呼ばれる母関数からできあがっているようです。
 空間の形状が正多角形となる共鳴の条件にはトーラス面のlongitude曲線方向とmeridian曲線間に整数比が起きるように巻き付いた巻き紐が計算できるだろうと予想しています。

投稿: 伴 公伸 | 2007.01.09 11:08

「調べてみると量子力学の存在確率と状態数の積は素数の連分数からできたガンマ関数を中心とした超関数と呼ばれる母関数からできあがっているようです。」の脈絡前後に論理の連絡が途切れていたので、追伸します。
 量子力学で遷移論を論じるとき存在確率にはディラックのデルタ関数が現れますが、ディラックの関数には数種の統計関数があり、それらはどれも確率論の母関数の変じた姿です。そして母関数は素数の連分数をその母体にしています。素数の連分数の1層をみるとそこには共鳴に起きた高調波を数え上げているように見えるのです。連分数が表すことを強調すれば、この世は共鳴のフラクタルから万物が構成され、生活しているようです。

投稿: 伴 公伸 | 2007.01.09 11:18

訂正 前の誤り「とくに1/f雑音では独立関数のいくつかに従属することから、フーリエ変換後には1/fを中に含んだ独立関数を基底とした級数に変形することができます。」

正「とくに1/f雑音では独立関数のいくつかに従属することから、フーリエ変換(周波数分析)すると独立関数を基底とした1/fを係数に必ず含んだ級数に展開することができます。

投稿: 伴 公伸 | 2007.01.09 11:23

ばん まさのぶさん、はじめまして。コメントありがとうございます。

「ドラムの形を聞き分けることができるか」という題名の有名な論文があると何かで読んだことがあります。むかし、機会があったらいつか読んでみようと思い、もう一度そんなことがあって、でも現在に至るまでずっとそのまま(笑)なんですが…。

極微の世界にどんどん分け入り、要素にばらして理解する、というのが近代の物理学の還元主義です。これって、どこまで行ってもキリがないのではないか、ばらしてもばらしても、さらに小さいな構造が見えてくるのではないか、という気がすることも時々あります。

そうした様々な階層構造そのものを対象にする科学があっても良い気がします。階層間の関係の普遍性を見抜いて、一気に全体像を把握できるような科学です。漸化式のような感じ、とでも言えるかな。フラクタル的な自然観というものも、それを目指しているのでしょうか。

いづれにせよ、むずかしいのは、アイデアを定量的な数理モデルで表現することですね。

***

ご質問の、定曲率の3次元球面S^3(x^2+y^2+z^2+w^2=R^2:Rは半径)上で得た結果についてかんたんに説明します。古典的な結果と量子化した場合の結果があります。

ふつうの3次元ユークリッド空間で原点に固定された正の点電荷はクーロンポテンシャルを作ります。このポテンシャルのもとで非相対論的なニュートンの運動方程式にしたがって運動する電子の古典的な軌道は、電磁場の放射による反作用とかを無視すれば、楕円軌道(あるいは放物線、双曲線ですが、エネルギーがそれほど大きくなければ楕円)になり、軌道は閉じます。これは太陽系の惑星についてケプラーが見いだし、ニュートンが証明した事実です。

同様な問題を、3次元球面S^3の南極に正電荷を固定した場合について考えることができます。(ただし、S^3の場合には、どこかに同じ大きさの負の点電荷をおいておかないと、南極からわき出した電気力線の行き場がなくなってしまうので、北極に負の点電荷をおいておきます。)すると、この場合にも電子の古典軌道はすべて閉じることがわかります。

3次元双曲空間H^3の場合もほぼ同様に扱うことができて、古典軌道がすべて閉じることがわかります。

上の問題を量子化すれば、水素原子のエネルギー準位を求める問題になりますが、S^3の場合にもH^3の場合にもちゃんと解けて、エネルギー準位が空間の曲率に依存する形で求まります。空間の曲率がゼロ(上式のR=∞)の場合には、普通のユークリッド空間での結果に一致します。

ここまで計算できた段階で、論文が書けるかも、と思い、調べてみたら、何十年も前に先にやっていた人がいて、がっかりしました。文献をあげておきます。古典的な結果のほうは

P W Higgs: J. Phys. A: Math. Gen. Vol.12, No.3, 309 (1979)

量子化バージョンは

E Schroedinger: Proc. Roy. Irish Acad. 46A, 9 (1940)
A F Stevenson: Phys. Rev. 59, 842 (1941)
L Infeld and A Schild: Phys. Rev. 67, 121 (1945)

にすでに発表されています。これらの文献は、次の論文から芋づる式に見つけました。

T Iwai and N Katayama : J. Math. Phys. 36(4), 1790 (1995)

ご参考まで。

投稿: Wave of sound | 2007.01.13 22:36

伴 公伸さま

いただいたコメントですが、含蓄があって、ゆらぎや雑音を扱った経験がない私にはイメージがわかず、すぐに理解できない点が多いです。基本的なことを少し伺ってもよいでしょうか。

1/f雑音の発生には「トーラス形状の渦運動という特殊な共鳴が原因となっているようだ」とのことですが、気柱共鳴の問題を考えているときにレイリーの有名な古典の本(Theory of Sound)で、ドヴォラクの渦について読んだことがあります。粘性の2次の効果で管内に生じる規則的な渦のことです。ドヴォラクの渦は、1/f雑音と関係がありますか。

はずしていたら、すみません。黒体輻射などについても、ご主張を理解したいと思いますが、まずは一番基本的な具体例で教えていただければ幸いです。

投稿: Wave of sound | 2007.01.14 02:30

6年ぶりにここに戻ってきました。書き込みの増加を知るすべがなく、書いたままになってしまいました。メールしておきながら失礼しました。引っ越しのための荷造り中に6年前の印刷紙面をもう一遍探していたら戻ってこれたのです。書き込みのお知らせって設定できるのでしょうか。お知らせ機能のGoogle アラートのリクエストを先週使い始めたのですが、このページ中に同じ仕組みがあれば利用したいところです。ところで「レイリーの有名な古典の本(Theory of Sound)で、ドヴォラクの渦」というのは知識がありません。検索してみたのですが、残念ながら現れません。図書館に行ってみます。

投稿: 伴 公伸 | 2013.10.09 14:53

伴 公伸さま

Dvorakの渦については、Theory of SoundのVolume 2の第352節(p333〜p342)に記述があります。
http://archive.org/details/theoryofsound02raylrichで見ることができるようです。
なお国会図書館にとても優れた自費出版の和訳本(訳された方のお名前は失念しました)があります。


ココログの管理画面ではふさわしいパーツが見当たらないのですが、一般に、サイト更新を通知してくれるサービスは下記のものなど、いろいろあるようです。
http://webchecker.biz/about.html

あとメールをいただいた記憶がないのですが(^^;; もし失礼がありましたらお許しを。

投稿: Wave of sound | 2013.10.13 00:45

和訳本をご紹介くださりありがとうございます。探してみます。ReadOnlineでは該当ページが見えました。
更新の通知サービスも試してみます。情報をありがとうございます。更新の通知のひとつをGoogle アラートでためし今日は通知が来ず、失敗していたところなので助かります。

投稿: 伴 | 2013.10.16 16:17

「メールをいただいた記憶がないのですが(^^;;」そのとおりメールしてません。私はブログと混同しています。こちらこそ失礼しました。私はブログを意識してやったことが無く、先生のブログにたどり着いていたことも理解できていませんでした。メールだと着信返信、受信箱と送信箱ででいわゆる返事や更新を逃さないのですが、ブログだとアドレスの記録を手元に残せませんので、迷子を数年重ねたのです。たぶんブログの会員になっていないのでココログからの更新通知を受けられないのでしょう。 

投稿: | 2013.10.16 16:28

「粘性の2次の効果で管内に生じる規則的な渦」をキーワードにしてwebで「共鳴管内の音響流 矢野猛」の、ドヴォラクの渦の内容を読んで見ました。音響流は粘性があり、直流の流れがないことが、必要条件とのことなので、残念ながら私の渦とは異なるようでした。位相が重要な役をすることは私の場合にも必要な条件です。しかしたとえば電子が流れるときの直流電流の電子には粘性がありません。私の流れはそんな流れです。
 私の渦を説明すると、A面内の振り子運動pがそのA面に直行するB面にも振り子運動qをするとそれらに直行するC面からみると質点はp、qが同じ周期なら円周運動でしょう。周期比が異なれば、リサージュのいろいろな運動をすることでしょう。さらに垂直方向に上下振動するrの運動なら、pqr3次元空間でのトーラス面に巻きつく軌道となるでしょう。そういう振子の質点の軌跡が作る形状を渦と私は考えています。
 それが音響流と全く無縁かというとまた違います。どちらもシュレディンガーの波動方程式に基礎を持っているので量子力学からの切り口では同じです。
 そんな渦の振子が1個ではなくて、多数あり、等間隔に立体的に並んでいるとします。たとえば等間隔に立体的に並んでいる姿は、結晶の格子点です。ある高い位置から量子がその格子を揺らしながら下流に次々と流れ落ちていくとします。格子点の質点はゆらゆらと揺れるとします。それはたとえば電子がトンネル共鳴で半導体の結晶を通り抜ける状況となります。振子のある質点はpqr空間で渦を巻いています。
 これを時間の摂動をもとにしたシュレディンガーの波動方程式を変形して、周波数分析機で流れを観測したときの式の形式にして見ると、量子の運動を見た観測には周波数分析機には両対数グラフの右下がりの直線がその包絡線に必ず表れるとわかります。ところが、そういう実際の現象「J. B. Johnsonの真空管雑音」には同時に高周波域では水平の包絡線に接続しています。右下がりの直線は2のべきで現れるべきなのですが、右下がりの直線全体が1となる現象もあります。べきが2から1になるのは通路に積分器があるとわかります。量子の運動経路は結晶ですが、結晶を通るときに積分されているとわかります。
 また運動する量子は通過するとき孤立矩形波の信号を観察に発するはずです。波動は打ち消しあいも起きるので運動量とエネルギーと量子の個数が入口と出口で同数(保存)なら、足された波が減っていないことなので、波は同じ位相を持っています。波はそういう共鳴をしています。そういう共鳴なので、結晶がない真空にも場を結晶化させてしまうこともありえます。実例として「北海道大学工学部藤田らの直流グロー放電陽光柱ダストプラズマにおきた、樹脂ビーズの並んだ現象結晶化」があります。 そして電気関係工学部の基礎実験「フランクとヘルツの実験」も私はこの結晶現象が生んだ量子化と解釈します。ところで孤立矩形波はフーリエ変換すると三角関数を要素とした無限級数と等価なため、無限個に周波数の異なる三角関数が其々ごとに位相をそろえて共鳴していることになります。普通の共鳴はただ一つの周波数に収れんしてただ一つの位相に揃うのですが、私の考える結晶に起きる量子の共鳴は、ちょっと様子が異なります。
 こういう共鳴なのに量子が大きなエネルギーをもった集団になるとまだ整数個の量子群ごとの行動をとり、発生が正規分布に従う「J. B. Johnsonジョンソン・ノイズ」ホワイトノイズになると私は独自にかんがえます。正規分布に従うような雑音のジョンソン・ノイズの発生は階層がミクロな量子段階から量子群の集団段階になったからと階層の発展を考えます。
 そして流体運動、粘性、音響流もその階層の発展が、ひとつの段階として作るのではないでしょうか。位相が揃う共鳴では分数階積分という特別な積分方式も同じ現象の中に起こります。

投稿: 伴 公伸 | 2013.10.21 17:40

先生が書いた「3次元調和振動子で、3方向の角振動数が有理数の比をなす場合には軌道が閉じますが、」の3次元調和振動子の軌道は私が2013.10/22に書き込んだ「pqr3次元空間でのトーラス面に巻きつく軌道・・振子の質点の軌跡」と同じ内容です。さらに新しく提案があります。質点は独楽(スピン)のように軸回転している。スピンを含めた4次元空間の運動にしたいと考えます。そういう発展をさせると、特定の1方向にしか伝搬しない波の向きが独楽の運動によって他の方向にも影響させることができるからです。この拡張による展開で「北海道大学工学部藤田らの直流グロー放電陽光柱ダストプラズマにおきた、樹脂ビーズの並んだ現象結晶化」の垂直と水平方向の定在波模様の整列が説明できるようになるでしょう。まるで円形導波管内の定在波模様のように樹脂ビーズ(ダスト)が整列した姿をそういう4次元の質点の場に起きた共鳴で説明できます。

投稿: 伴 | 2013.10.23 12:07

伴 公伸さま

ドヴォラクの渦について調べていただきありがとうございました。伴様が関心をお持ちの「渦」とドヴォラクの渦とは直接の関係はないことが理解できました。

ご説明を読んで、(理解はできていないのですが)伴様が関心のお持ちの「渦」が少しわかってきたように思います。その「渦」の1つの具体例は、半導体の結晶を電子が通り抜ける状況で、局所的な正イオンのポテンシャルに束縛されて振り子のように運動している電子なのですね。ここまでは理解できたのですが、

> これを時間の摂動をもとにしたシュレディンガーの波動方程式を変形して
> 周波数分析機で流れを観測したときの式の形式にして見ると
> 量子の運動を見た観測には周波数分析機には両対数グラフの右下がりの直線が
> その包絡線に必ず表れるとわかります。

のところでわからなくなりました。

投稿: Wave of sound | 2013.10.25 23:15

>[半導体の結晶を電子が通り抜ける状況で、局所的な正イオンのポテンシャルに束縛されて振り子のように運動している電子なのですね。]ちょっと説明を足します。
 たとえばカオスでは有名なバタフライ曲線がpq平面またはpqr空間に描かれます。一般の振り子の運動もpq平面に円周を描きます。そういう空間での図形です。ここでいう渦はpqrの3次元にpqr空間に描かれます。そして振り子は結晶の中の原子と思ってください。すなわち「・・運動している電子なのですね。」は、「・・運動している結晶の格子点の原子なのですね。」に思ってください。
 電子が通り抜ける結晶の経路で結晶の原子が振動して振り子になりpqr空間で渦をなしている。経路の原子では運動が渦となったpqr上の図形を描いているので、経路にはエネルギーが蓄積する。結晶を通ってきた電子も影響を受けるので、電流信号を観察すれば、パワースペクトルも変化してくる。pqr平面上の渦は実際の観察信号では3成分とその高調波が複合された波動となって観察されるはずです。それを計算で試すことも考えました。そのために計算を次のようにやってみました。
 結晶をトンネルし通過するとき電子はトンネル障壁を繰り返し通過します。このパワースペクトルは計算して数値で確認することができます。このような繰り返しはトンネル共鳴と呼ばれます。トンネル現象を結晶の中で量子が格子を通り抜けるために複数回(例えば40回)繰り返すとき、2行2列の要素の複素数を含めた行列積の演算を繰り返すことで、トンネル共鳴の波動のパワースペクトルについて数値計算ができます。計算法は洋書の教科書に見つかりますし、中村勝弘という研究者がその事例では常に包絡線の傾きがF自乗分の1になると述べています。私はシュレディンガーの波動方程式を時間の摂動でパワースペクトルにF自乗分の1になる係数を括りだすことを試み必ず現れる性質で量子の共鳴であると確かめることができました。そのことが「> これを時間の摂動をもとにしたシュレ・・必ず表れるとわかります。」なのです。

 ところでその結果を踏まえて、流れる(トンネル共鳴の)量子の経路にエネルギーがたまることが事実ならどんな現象が起きることになるかと、あるだろう現象を探してみると学会の発表の中から奇怪な事実がいくつか見つかりました。ご興味があれば写真やレポートをご紹介したいと思います。たとえば結晶が存在しなくても電子が流れていれば経路の空間が共鳴して結晶を配置したような特殊な場を作る。そんな事例の数種類です。

投稿: 伴 公伸 | 2013.11.13 17:33

伴 公伸さま

追加のご説明をありがとうございます。 少しイメージがわいてきました。振動しているのは電子ではなく、(ほぼ)周期的なポテンシャルを作っているイオンのほうなのですね。

> 結晶の原子が振動して振り子になりpqr空間で渦をなしている。

「原子が振動して渦をなしているpqr空間」は、xyz空間(私たちが住んでいる3次元ユークリッド空間)と同じものだと思ってよいですか。それとも、ハミルトン形式の解析力学での位相空間あるいは正準運動量の空間のようなものでしょうか。 (細かいことかもしれませんが、どうしてxyzでなくてpqrをお使いになったのか気になりまして...)


> トンネル共鳴の波動のパワースペクトルについて数値計算ができます。
> 計算法は洋書の教科書に見つかりますし、中村勝弘という研究者が
> その事例では常に包絡線の傾きがF自乗分の1になると述べています。
> 私はシュレディンガーの波動方程式を時間の摂動でパワースペクトルに
> F自乗分の1になる係数を括りだすことを試み必ず現れる性質で量子の
> 共鳴であると確かめることができました。

> 2行2列の要素の複素数を含めた行列積の演算を繰り返す

ちょっとネットで検索してみましたが文献はみつかりませんでした。でも、いただいたヒントで簡単なモデルが作れそうなので、時間をみつけて計算してみようと思います。

各サイト上にある2状態系を20〜30個ほど鎖でつないだような1次元モデルで、隣接サイト間に遷移がおきる。その遷移振幅が時間的に周期変化するようなモデルです。 1/f雑音を導出する上で、違う場所の遷移振幅たちは位相を揃えるべきなのか、ランダムにするべきなのか、など、モデルを構成するさいの注意点があれば教えてください。

「経路にエネルギーがたまる」というご主張については、上の簡単な1次元モデルをまずちゃんと理解してから、あらためて考えてみようと思います。

投稿: Wave of sound | 2013.11.18 15:06

カオスのバタフライ効果http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:TwoLorenzOrbits.jpg
http://www.n-nourin.jp/ah/agrilink/hukyuu/simabara/906_genti_joho/ninaite/H18/JA-seinentaikai/bataflyffct.html
> 結晶の原子が振動して振り子になりpqr空間で渦をなしている。
渦は解析力学での位相空間です。振り子は3次元ユークリッド空間で運動すると軌跡は小さな円弧ですが、位相空間pθでは円弧の軌跡です。図2.3http://www.somedalab.c.u-tokyo.ac.jp/Classes/NRDCh2_1.pdf
>1/f雑音を導出する上で、違う場所の遷移振幅たちは位相を揃えるべきなのか、
遷移振幅の振動数が同じならば原点での波は位相が同一。ただし遷移振幅はあたかも一つの波のある部分であるかのように場所ごとの位相を各サイトに設定する。

投稿: | 2013.11.18 17:42

>ちょっとネットで検索してみましたが文献はみつかりませんでした。

 数理科学SGCライブラリ-1カオスと量子物理学pp.28-35中村勝弘は各地の図書館でリクエストすれば手に入ると思います。私からメール添付もできます。
 正確な物理学の専門書が欲しいなら、量子力学の教科書で丸の内オアゾビル丸善で立ち読みしたことあります。その量子力学の教科書は図書館から取り寄せてそのページをコピーした様な気がするのですが、手元にみつから無くなってます。
 たしか 昨日 >>「トンネルする波の内、ある振動数の波は全体で一つの波で各井戸の入口の位相は、伝搬時間分ずれる」という意をお伝えしました。
 計算の開始ではそういう条件はないのですが、トンネルできる波には制限があり、連立方程式の計算には解がそのような制限に選択がされるので式を繰り返せば自然に結果はそうならざるをえないのです。
 おおざっぱに言ってトンネル障壁は井戸幅、障壁幅でトンネルできる波長が決まり、整数倍調波の高調波しか通らなくなり通り抜けられる波長はとびとびになる。一つでもそうなのにさらにその連鎖となると、かつ障壁列全体でトンネルしたある振動数では同じ波になり各障壁入口での波の位相にはトンネルの条件が課せられているために、トンネルする波は、障壁ごとにぶつ切りにはなれず、まるで一つの波の部分であるかのようになるはずです。そのような予想に反して、マセマティカというソフトでプログラムし井戸列の位置をランダムにした計算も私はしました(JCFで発表)が、条件を崩したそれでも10段の連続井戸列くらいから1/f自乗特性は現れました。

投稿: 伴 | 2013.11.19 10:35

伴さま

文献のご紹介をありがとうございます。隣県にある図書館で閲覧できるようなので、近日中に見てみます。

モデルに関して少し誤解しておりました。2×2行列の積と述べておられたので2状態系が鎖状につながったモデルだと思ったのですが違うのですね。

x軸上のふつうの1次元の一体の量子力学で、エネルギーがE > 0で一定の定常状態を考えます。粒子の質量をm=1/2とし、hbar = 1 とする単位系で、シュレディンガー方程式は

(-d^2/dx^2 + V(x)) ψ(x) = E ψ(x)

ここで、ポテンシャル V(x) は複数の井戸型ポテンシャルが連なった区間 0<x<L でのみゼロではなく、その左側 x<0 と右側 x>L ではゼロであるとします。

左側での波動関数は、右向き進行波 exp(ikx) と左向き進行波 exp(-ikx) の複素係数の重ね合わせ

A exp(ikx) + B exp(-ikx)

で書けます。また、右側での波動関数も同様な重ね合わせ

C exp(ikx) + D exp(-ikx)

で書けます。ただし、k = √E です。

2×2行列の積と言っておられたのは、係数の組 (A,B) と (C,D) を結びつける線型変換を、1つ1つの井戸型ポテンシャルの両側での波動関数を結びつける同様な線型変換たちの合成として表す式である、と理解しました。この理解でよろしいでしょうか。

ここで、たとえば左側から粒子が入射して、右側へと透過して行く確率を考えてみます。この透過確率は、上の式で係数Dをゼロとおいたときの、入射波と透過波の振幅の比 |C|^2 / |A|^2 になるかと思います。(まだ具体的な計算はしていません。)

で、質問なのですが、この透過確率と 1/f自乗特性 とはどのように結びつきますか。 入射波のエネルギースペクトル(係数Aの分布)に何か追加の仮定がありますか。

直観的には、2つの長さスケール(井戸型ポテンシャルの幅と井戸どうしの間隔)に応じて、透過確率も、2つのエネルギースケールを含む式で表されるはずです。 1/fのようなスケール不変な形にはならないように思います。仮にスケール不変になるのであれば、何が効いて、そのようになるのでしょうか。

投稿: Wave of sound | 2013.11.20 22:00

>1つ1つの井戸型ポテンシャルの両側での波動関数を結びつける同様な線型変換たちの合成として表す式である、と理解しました。この理解でよろしいでしょうか。
・・そのとおりです。
(>2状態系が鎖状につながったモデルだと思ったのですが違うのですね。
 ・・共鳴トンネルの障壁列も連鎖なので、違うということもなくちかいかな)
 波動関数の進行波、反射波で連立方程式にするのはクローニッヒペニーなど周期的配置(結晶)などに半導体工学でよく使われます。進行波、反射波というのはトンネルでは特に利用する価値と効果があって使うけど、大元の通信工学でのSパラメータというモデリングは電気工学のなかでは、高周波通信だけに使われる特別な変わり種です。これを使うと2状態系モデルにトンネル用の条件制約がついてきます。

>で、質問なのですが、この透過確率と 1/f自乗特性 とはどのように結びつきますか。 入射波のエネルギースペクトル(係数Aの分布)に何か追加の仮定がありますか。

 あります。積の繰り返しとSパラメータの関係を結びつける内容があります。詳しくは「数理科学SGCライブラリ-1カオスと量子物理学」を見るべきでしょう。原著はT.HAGA,Y.TAKANE and K.NAKAMURA;らの"1/f^2 Law in One-dimensional Quantum Transport: an Example of Weak Chaos in Quantum Systems"Chaos,Solitons & Fractals誌 Vol.5,No.7,pp.1077-1083です。なお原著題名の^はべき記号の意味で私が付け加えました。題の先頭のF分の1自乗のあとにLaw・・と続くような題名です。そのなかにパワースペクトラムP(f)=ABS((N^(-1))・Σn-1からNまで(Tn・exp(-2πifn/N)))^2
でPを縦軸にfを横軸にグラフを描きます。両対数目盛にプロットすると包絡線に右肩下がりの直線が表れます。直線はー1/f自乗の傾き=-2を示します。TnはTn=(
kn/k0)ABS(S12(n))^2などいろいろ変数があり、代入関係が面倒です。数理科学SGCライブラリ-をご覧になるのがよいでしょう。

>仮にスケール不変になるのであれば、何が効いて、そのようになるのでしょうか。

 実は私は「数理科学SGCライブラリ-1カオスと量子物理学」を知る前に「時間の摂動をもとにしたシュレディンガーの波動方程式を変形して、周波数分析機で(電子の流れのパワースペクトラムを)観測したときの式の形式にして見ると、量子の運動を見た観測には周波数分析機には両対数グラフの右下がりの直線がその包絡線に必ず表れる」を自身で演算し学会に発表しています。だからパワースペクトルの性質にスケール不変が表れるはずと確信をもっていたのであまり不思議ではありません。もっとも正確な説明は私の数学力では無理です。
 なぜ性質が現れるか式と数値をみても、多分数学者にもすぐには見通せないのですが、数学の学理でいうところの環(説明後述)で、「方程式の一般解」が定まっているからだと思います。たとえば3段論法を組むと【2階微分方程式の一般解はexp(ikx) の波動の組み合わせとなります。2階微分方程式がトンネル現象では量子性と波動性の相容れぬ2面のある運動だから、シュレディンガー波動方程式を根源にしています。シュレディンガー波動方程式は(私が演繹すると)パワースペクトルの係数に1/f自乗が括りだせます。係数1/fが含まれるパワースペクトルの性質にスケール不変を生みます】この【・・・】は環なので一連がつながり、頭から進行してもお尻から逆進しても正逆どちらの方向も一価にたどれます。たぶん
 
 環 : ある性質をもった群の要素を演算すると解も同じ群の要素であること。環でないときの事例=たとえば「ふたつの自然数どうしにある演算をすると解が無理数になる」ようなたぐい(四則演算は環なのでありえない事例)。

投稿: 伴 | 2013.11.21 16:29

>仮にスケール不変になるのであれば、何が効いて、そのようになるのでしょうか。

  一言でいえばシュレディンガー方程式であらわされる現象には「1/f自乗共鳴」現象の発現があり、パワースペクトラム(周波f(振動)数対パワー)グラフの包絡線にパワーの強度が1/f自乗という性質をつくります。
 事例は真空管の電流を測定してホワイトノイズとショットキノイズの観測を世界で最初に行ったJ.B.Jhonsonの"THE SCHOTTKY EFFECT IN LOW FREQUENCY CIRCUITS"のグラフが有名です。ただし高周波帯域のジョンソンノイズ、ホワイトノイズ、ショットキノイズという雑音現象だけが通信工学で有名になり、1/f自乗の性質がその低周波帯域に同時に観測されたのには光が当てられていません。なぜか注目されないのです。
 電流に限らず大体の雑音現象では低周波では包絡線が1/f自乗なのに高周波では包絡線が平坦になっています。高周波ではスケール不変が崩れています。しかしシュレディンガー波動方程式はパワースペクトルの乗積項(係数)に1/f自乗が括りだせ、むしろパワースペクトルの包絡線に1/f自乗のはずが、高周波帯域でスケール不変が崩れたことこそまだ未解明なのです。
 ほかの先生方と異なって、シュレディンガー波動方程式からパワースペクトルを表示させたらどう表れるか、それは私の強い興味でした。それまでの私は周波数特性分析器を使う測定を業務にする中で、HP社のFFT測定器と、スペクトラムアナライザ、ネットワークアナライザを操作してパワースペクトルを表示させていましたが、それらの装置が数学的にはフーリエ変換という同一の原理を実現するために測定器の機構制作方法を変えたアプローチであると気が付きました。装置同様に、シュレディンガー波動方程式にもパワースペクトルの表示からアプローチすれば、たとえば「1/fゆらぎ」が論じられると閃き、当時世の中では盛んだったゆらぎの研究に参加しました。じつはフーリエ変換をもとにシュレディンガー波動方程式を論じた本(ヒッポファミリークラブ著)「量子力学の冒険」が出版されているので、それをもとにシュレディンガー波動方程式自体を、測定装置の画面グラフ上のパワースペクトルの表示のように読み取ることができるのです。そうして「スケール不変」が導けました。
 
 ところで「スケール不変」の性質は「共鳴」の表れというべきでしょう。もし共鳴ならば、共鳴は一旦条件がそろい成長を開始したら共鳴を増長させ終わることが無いはずです。不思議なことに現実の高周波帯域ではその性質が崩れたかのように見えます。たいていの物理現象はおおよそランダムが多く、およそ共鳴のようには見えません。
 それなのにシュレディンガー波動方程式は量子のすべての現象を共鳴だと主張しているように私には見えます。
 この矛盾は「フラクタル的階層を持った共鳴がシュレディンガー波動方程式に起きて、全体はカオスという現象に括る」、そういう理解の方法で解消できると考えます。
 ところで運動量保存則P、エネルギー保存則Qを多数の周波数成分を持つ波の合成から考えるとこの共鳴カオスの特別な性質が見えてきます。ある同一周波数において多数の波を加算してPQ保存が成り立つならば、すべての波の位相が同一である必要があります。位相の違う同一周波数の波はPQ保存の時にはただの一つもない(=位相の異なることが無い)。それが共鳴の特性です。

 量子は波であらわせば場を伝搬するソリトンでしょう。1ソリトンは孤立矩形波やディラックのデルタの波形で伝搬する波です。孤立矩形波やディラックのデルタ波をもしフーリエ変換するとその波形は包絡線に1/f自乗の特性があります。観測された現象のパワースペクトラムに1/f自乗の特性があれば、このような共鳴です。ただし伝搬後の位相は伝搬開始時の量子のものとは違い、場を伝搬中に反射やトンネルによって位相が統一的に変化して、観察点に到来するのです。場は量子の流体を反射したり蓄積したり淀ませたりさせることもあるでしょう。それがカオスを作ります。

投稿: 伴 | 2013.11.28 16:30

>運動量保存則P、エネルギー保存則Q

と書いたけど表記が紛らわしかったので書き直したいと思います。

 運動量保存則を意味する記号に"P"、エネルギー保存則を意味する記号に"E"と改めてください。前回に運動量保存則とエネルギー保存則の成立することを略記して「PQ保存」と書いていました。そこでは「"P""E"保存」と略記したかったのです。うっかり書き間違えていました。

 ところで、ある物理現象をおこした系があるとき、系には「"P""E"保存」するという前提で物理学は論じられてきました。「"P""E"保存」していると量子の数と運動量とエネルギー量が不変に一定ですから、シュレディンガーの波動方程式にも当て嵌めれば、系については波の加算でも演算時にそれを守る要請があります。
 ところが波の加算演算には「"P""E"保存」を守れない問題があります。たとえば同一周波数同一振幅の波二つを加算したときには必ず1+1=2になるわけではありません。逆位相の波のときには0になり、加算の結果振幅を見ると、和は-2から+2の範囲になります。実際シュレディンガーの波動方程式で論じられる電子波と光波にはその現象から干渉縞を観測できます。振幅について自乗同志の加算と制約してみても和は0から+2の範囲の間でやはり和は必ず2とはならないので、「"P""E"保存」を守れません。
 波にとって「"P""E"保存」することは、特別な条件に限られています。その条件をここに詳らかに並べます。

 波を決定する要素には3要素があります。一つ目が周波数(振動数)、2つ目が振幅、3つめが位相です。三角関数波ではこの3要素が一つの波(一例に正弦波)を決定します。多数の種類の正弦波が加算されると和は歪波となります。歪波から逆に含まれている正弦波を決定する演算がフーリエ変換です。
 もし2種類の歪波を加算演算したら、和は同一の周波数同士の正弦波の加算を組にして、さらに周波数の種類回、加算を繰り返した総計にまとめることができます。だから波の加算ならば、いつでも同一の周波数同士の正弦波の加算組を考えることが基本です。

 このとき「"P""E"保存」を満たす特別な条件とは、同一の周波数同士の正弦波の加算が同じ位相の波同志に行われるときに限られます。
  だから、もしある物理現象の系で「"P""E"保存」するならば、、電子波、光波、物質波という波に、同じ位相の同一の周波数同士の正弦波だけが存在している条件に限られています。
 波のそろい方はレーザーのようですが、同時に発生している周波数が1種類ではないところがレーザーとは違うところです。そしてパワースペクトルには1/f自乗特性もそなわります。各周波数での位相は孤立矩形波の位相もあり得ますが、そうならないで乱れることが一般です。
 解明されている物理現象のすべては「"P""E"保存」を満たす特別な条件=すなわち、物質波の位相が揃っている共鳴になります。共鳴がさらにカオスの階層の一層になっているらしい。それが現世界を形作る法則なのかもしれない。このように私は推測しています。

 ざっと以上で私からの話を一旦終えます。
 
 

投稿: 伴 | 2013.11.29 10:51

伴さま

コメントをありがとうございます。

ご主張を1つずつ具体的に理解したいと思っていますが、さまざまな理由で時間がかかります。気長におつきあいいだたけましたら幸いです。

今回は1つの質問と1つのお願いがあります。

   *

ご紹介いただいた文献「数理科学SGCライブラリ-1カオスと量子物理学」を古書店で入手しました。T.HAGAほかは、まだ見ていません。

「井戸型ポテンシャルが連なった1次元モデル」について誤解していた点がさらに3つあったことがわかりました。

1つめは、外から一様な力の場(電場)がかかっていることです。これを簡単に表現するために、原点(x=0)から+x方向へとだんだんと下っていく階段型ポテンシャル(幅と段差は一定)を考え、階段の各段に同じ深さの井戸が掘られている状況を設定するということ。

2つめは、原点に左側から入射する粒子のエネルギーは適当な値に固定すること。(つまり、入射波は単色スペクトル)

3つめは、1/f雑音という場合の周波数fは、現実の周波数ではなくて、擬似的な周波数であること。 つまり、階段をn段降りたところでの透過確率(=透過振幅の絶対値の2乗)をT_nとして、T_1, T_2, T_3, … を時系列とみなし、この時系列のフーリエ成分を考えているということです。

実際にプログラムを組んで調べてみるとたしかに、上記の文献に述べられたカオス的な振る舞いが起きるようです。弱電場の場合と強電場の場合のそれぞれについて確認できました。

(しかし、この結果が現実の半導体に生じる雑音とどのような関係があるのかについて、WSにはいまいち、よくわかりません。fは擬似的な周波数であって、現実のエネルギー(や周波数)との関係が不明だからです。なにか基本的な見落としをしているでしょうか?)

下り階段なので、古典的には100%到達するはずですが、量子論的には段差(と井戸)で反射波が生じるので100%にならない。さらに、階段の段数nに対して透過確率がカオス的に振る舞う、というのはとても面白い現象であると思いました。

で、質問です。

このようなカオス的な振る舞いが生じるのは、波数kが段数nの無理関数だからではないか、とWSには思えます。つまり、階段のn段目での粒子の波数k_nは、1段の段差をvとして

k_n = sqrt( k_0^2 + n * v )

とルートの入った関数で書けるので、透過振幅の式に現れる exp(i * k_n * a * n) の形の因子は、互いにさまざまな位相であらわれ、複雑な干渉をすることになります。 (aは階段の幅)

伴さまが考察されたように、階段の幅を一定ではなくランダムに、あるいは長波長で規則的に変えるとおそらく、干渉はさらに複雑になるでしょう。この階段の幅の変え方と透過確率のカオス的な振る舞いの関係について、何か定量的にわかっていることがありますか。これが質問です。

   *

あと、お願いです。

コメントにおいて以下のような記述を何度かしていただいていますが、具体的にイメージできません。

> シュレディンガー波動方程式はパワースペクトルの乗積項(係数)に1/f自乗が括りだせ

できましたら、簡単な系で具体的に式を示して教えていただけないでしょうか。

あるいはこの質問に関連する伴さまのご論文やご報告がありましたら、リンクを知らせていただくか、当ブログ左欄のプ口フィール項に記述しておりますアドレスまでメールで送っていただけましたら幸いです。

投稿: Wave of sound | 2013.12.01 17:34

Q >この階段の幅の変え方と透過確率のカオス的な振る舞いの関係について、何か定量的にわかっていることがありますか。これが質問です。

A 私は透過確率のグラフは得ていません
メールには私の論文を添付します。http://jcfrs.org/file/jcf10-proceedings.pdfの86ページ中 60ページから64ページに載っています。隣の井戸との距離を0から2倍範囲にランダムしていました。0は実際のところ、井戸幅分、となりからの距離を離したので、並ぶことはあっても重ならなかった設定にしていたように思います。
井戸幅は一定です。透過確率のグラフは得ていませんが、パワースペクトラムのグラフは描いてあります。
マセマティカのプログラムですので、それから変形すれば透過確率T対nのグラフも描けるはずです。
中村勝弘の論文に周期的整列で条件を変えたT(n)グラフがいくつかあるので、メール2通目 定量2へ2つのファイルを添付します。グラフを探してみてください。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.02 15:08

Q > 「シュレディンガー波動方程式はパワースペクトルの乗積項(係数)に1/f自乗が括りだせ・・できましたら、簡単な系で具体的に式を示して教えていただけないでしょうか。あるいはこの質問に関連する論文やご報告がありましたら、リンクを」

A 電子情報通信学会の電磁環境研究会(EMCJ)で数本書いてます。web検索ではそれがあらわに見つけられなかったので、かわりに学会とまでは言えない紀要への投稿ですがhttp://emc.mit.pref.miyagi.jp/news-letter/EMCNewsLetterNo.13-public.pdfの37ページ中3ページ目から11ページ目までが私の論文です。7式と11式のあたりが1/fについてかいてあります。1/fを1/ν、1/ωという表記で書いてます。(その当時の伝えたくてしょうがなかった一連の発見を広い分野にわたってあっちこっちに話が飛びながらさらに3ぺーじから11ページまで連ねてます。きっと初めて目にするような語彙があって理解はとうてい追いつかないでしょう)
 この式は量子と波動の2面性を持った現象ならば共通する原理です。もっとも最適にそれらしい条件は電荷密度波CDWに起きる1/fから1/f自乗のパワースペクトルに現れる包絡線です。
 CDW以外にも電圧電界、気圧などの原動力が一定にかかるなにかの量子の流れが周期的透過膜を通り抜けると、そのような現象のすべてに対して常に、流量変動のパワースペクトルに表れます。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.02 16:35

Q > 「シュレディンガー波動方程式はパワースペクトルの乗積項(係数)に1/f自乗が括りだせ・・できましたら、簡単な系で具体的に式を示して教えていただけないでしょうか。あるいはこの質問に関連する論文・・

A それが、12/2夕に別途のメールに添付した、EMCJ研究会誌「熱陰極からの1/fノイズのシュレディンガー方程式による解」です。これは真空中を電子が飛翔する真空管装置の中で電子線を回路に含む直流定常流のモデルです。シュレディンガー波動方程式でパワースペクトルの乗積項(係数)に1/f自乗が括りだせる導出です。
 確信を持ったそのあと単純化して、<平均値>を期待値として使ったより簡単な導きがhttp://emc.mit.pref.miyagi.jp/news-letter/EMCNewsLetterNo.13-public.pdfの3ページ目からになります。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.04 09:58

Q >この階段の幅の変え方と透過確率のカオス的な振る舞いの関係について、何か定量的にわかっていることがありますか。これが質問です。

A 「透過確率のカオス的な振る舞いの関係について、何か定量的」らしき論文があったので再度回答です。透過確率のカオス的な振る舞いら式計算がいくつかあったので、メール12/10付に私と当時東北大の先生との共著論文Chaotic properties of quantum transport in Ni–Nb–Zr–H glassy alloysを添付しました。

ところで階段の幅の変え方と透過確率のカオス関係はわかりません。そしてパワースペクトラムで「スケール不変」の性質1/f自乗はまだ表れるのですが。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.11 17:28

WSです。

伴さまより12月5日に下記に引用するコメントをいただきましたが、一部の内容はWSあての私信であると判断できるものでしたので、その部分を除いて掲載します。

ご了承ください > 伴さま。

12/5付 伴さまよりのコメント

----- 引用はじめ -----

>P W Higgs・・量子化バージョンはE Schroedinger・・T Iwai and N Katayama

 検索環境が自由自在なのでうらやましい限りです。私の現状では文献検索が不自由です。(___中略___)以前は文献が検索できる安価なWEBサービスが国の機関にあり私的に参加していましたが、いまはできないので残念です。でもHiggsは印刷できました。引力のHiggs粒子の先達や量子のSchroedingerが研究していたのには驚きと、おなじ関心を持つ仲間だったかと感じ入っています。

>表に整理して

 引力が距離に反比例自乗にならないと天体の軌道がどうなるか単行本「宇宙法則の謎 堀源一郎著 丸善」にも3次元空間の運動について同様の話題がありました。表にもされたようにユークリッド空間でない非3次元の宇宙ではどうなるでしょう。
 ところで独楽の運動は位相空間でトーラスだとある本に書いてありました。ユークリッド空間の周回楕円軌道、放物軌道、双極軌道は3次元での運動ですが、4次元以上の多次元の空間に共鳴などの運動があったらどんな形状をもつか興味が深いです。なんか情報を得たいとももっています。たとえば正多面体、プラトン立体にかかわりがあるのかないのか。

----- 引用おわり -----

投稿: Wave of sound | 2013.12.12 22:34

伴さま

ご論文や図表をお送りいただき、また、リンクを教えていただきありがとうございます。お返事が遅れて申し訳ありません。

いま、なかなかまとまった時間がとれないので、読み込むための時間、また、考察して頭を整理するための時間をもう少しいただけましたら幸いです。 不十分ですが、以下にいくつかのコメントと質問をさせていただきます。

     *

「熱陰極からの1/fノイズのシュレディンガー方程式による解」のご論文は、はじめの1/fノイズのレビューのところから興味深く読ませていただきました(WSは不勉強で1/fノイズについてこれまでほとんど何も知りませんでした)。ただ、時間に依存する1次の摂動論でフェルミの黄金則を導く話に似た議論を展開しておられるところ(3節)で、想定しておられるハミルトニアンの具体形がイメージできず、そこで止まってしまいました。 たとえば、熱陰極近傍の電子の場合、H_OとH_Iは、具体的にp(運動量演算子)やx(位置演算子)を使ってどのように表現できるとお考えでしょうか。

     *

1次元下り階段井戸モデルの透過確率とその擬似パワースペクトルについては、少し前にフォートランでプログラムを書いていくつかのケースを数値的に調べました。 擬似パワースペクトルの包絡線がおおむね、1/f^2で減少することが確認できました。でも、透過確率のグラフは、いただいたグラフのようなきれいな「模様」を描かず、もう少し乱れたものになりました。おそらく計算精度の不足による桁落ちが原因ではないか、と思っています。また、1/f^2で減少することを解析的に導けないだろうか、とパラメータ(1/N)で展開するとかいろいろ試みましたが、まだ成功していません。

     *

> 階段の幅の変え方と透過確率のカオス関係はわかりません。
> そしてパワースペクトラムで「スケール不変」の性質1/f自乗はまだ表れるのですが。

ありがとうございます。 階段が等間隔なら擬似パワースペクトラムに性質1/f自乗が現れる。 間隔を多少ランダムあるいは規則的に変えても性質1/f自乗は保たれると理解しました。

以前に「電子が通り抜ける結晶の経路で結晶の原子が振動して振り子になりpqr空間で渦をなしている」状況について伺ったことがあります。 上の結果は、性質1/f自乗は結晶の原子の振動とは無関係、と理解できるように思います。 ここでまた疑問がでてきたのですが、伴さまがこの例で結晶中の原子の振動に注目されるのはどうしてですか。

     *

> 検索環境が自由自在なのでうらやましい限りです。

誤解です(^^; ふつうのGoogle検索でまず T Iwai and N Katayama を見つけ、NDLからコピーを郵送で取り寄せて読みました。 次に、引用文献で、WSの計算結果と関係がありそうなものをピックアップして、またNDLからコピーを郵送で取り寄せて読みました。 こんな風に泥臭く、数回繰り返した結果です。

     *

> 4次元以上の多次元の空間に共鳴などの運動があったらどんな形状をもつか興味が深いです。
> なんか情報を得たいとももっています。たとえば正多面体、プラトン立体にかかわりがあるのかないのか。

伴さまの考えておられる「共鳴などの運動」の意味が今ひとつよくわからないのですが、3次元ユークリッド空間でのケプラー問題のようなもの、つまり、多様体上の質点の運動で、作用積分(=ラグランジアンの時間積分)を極小にする、という要請から導かれるようなもの、だと考えて思いつくことを書きます。

3次元ユークリッド空間のケプラー問題は、回転群SO(3)の作用で不変なポテンシャル 1/r を考えています。 これを一般化すれば、何か高次元の空間Xがあって、Xにはリー群Gが作用している。 Gの作用で不変なポテンシャルから変分原理で導かれるような、X上の質点の運動を考えてみる、といった設定が考えられます。 XやGやポテンシャルを変えながら、いくつか具体的に調べてみるとよいかも知れません。

何かヒントが得られるかも知れない本を2つ挙げます。 もっと適切な本に出会ったことがある気がしますが、いまは思いだせません。

・基本群とラプラシアン - 幾何学における数論的方法 紀伊国屋数学叢書 砂田 利一【著】

・古典力学の数学的方法 V.I.アーノルド (著), 安藤 韶一 (翻訳), 蟹江 幸博 (翻訳), 丹羽 敏雄 (翻訳)

投稿: Wave of sound | 2013.12.14 00:54

 >*「熱陰極からの・・想定しておられるハミルトニアンの具体形・・熱陰極近傍の電子の場合、H_OとH_Iは、具体的にp(運動量演算子)やx(位置演算子)を使ってどのように表現できる

 私がメールに添付した私の論文「熱・・る解」(2)から(8)式は放送大学の阿部龍蔵の式を組み合わせて再構成しています。参考になるところをその本から明日12/17以降にメールで添付したいと思います。
 陰極線の電子には具体的にpやxは与えられるでしょうか。否です。
 理由として明日のメールに外村氏の文献を添付します。すべての電子線で陰極線は2極真空管の陰極から陽極へ通りますが、極間では電子波という波動が複数存在し波動は干渉加算しています。量子と考えてはなりません。
 とくに外村氏の文献は波動として干渉加算している状態が示されています。2極間の真空空間中にたった一個分の電子、その1こ以下のはずの小さなエネルギーでも干渉加算していることが示されています。
 そのことから電子が実は量子ではなくて1以下の小数にまで陰極線の姿では減じるから、たった1個でもそれ自身が通り道から受けた位相のぶんを干渉するのだといえます。
 波は粒子とは相容れぬ性質ですが、電子は波でもあり、量子でもあると、矛盾する性質を持つので電子工学ではその性質のことを電子の2面性と呼びます。
 でも私としては電子を含め物質の本質を論じるならば、波動性こそが本質である、私の場合、量子性は「波がソリトンに姿を変えた特殊な状態」から生じると考えます。
 なお2極間と同じ陰極線により直流が通るすべての状態では、1/f雑音が観察されます。トンネル顕微鏡ほか事例はたくさんあります。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.16 11:16

*1次元下り階段井戸モデルの・・でも、透過確率のグラフは、いただいたグラフのようなきれいな「模様」を描かず、もう少し乱れたものになりました。おそらく計算精度の不足による桁落ちが原因ではないか、

 マセマティカというソフトウェアの利用をお勧めします。簡単に計算精度の壁が小さくなります。計算精度はマセマティカの設定によりさらに限界が下がります。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.16 11:21

Q>以前に「電子が通り抜ける結晶の経路で結晶の原子が振動して振り子になりpqr空間で渦をなしている」状況について伺ったことがあります。 上の結果は、性質1/f自乗は結晶の原子の振動とは無関係・・この例で結晶中の原子の振動に注目されるのはどうしてですか。

A 性質1/f自乗にはたしかに無関係ですね。
 でも渦では振動、回転の形でエネルギーの蓄積が起きていると考え注目しています。蓄積は数式演算では積分の作用です。そんな積分が現象に起きます。
 ただしそういう現象は残念ながら非線形、不安定、低確率非定常で工業の研究対象にはなれなかった分野です。それらしきものはたくさんあります。
 たとえば1/f自乗がパワースペクトラムに表れるべきなのに、整数ではないべき指数が現実に1/fゆらぎと呼ばれ観測されています。それらではべきxが1<x≦2の間で観測されます。この現象では陰極線の通り道の結晶なり、真空なりの場に積分作用があったと推測できます。「自乗のべきが積分されると1乗のべきになる」ことがその理由です。実は積分には高校や大学で習わなかった定義があります。分数階微積分という定義です。Liouville,1832a;Riesz,1949;Riemann,1953以前から存在しているそうです。分数階積分の作用を簡単に述べると位相が移動し、振幅が増幅されます。作用後にはべきxが0<x<2の間で可能になります。
 周期的配置の障壁列は電子波の位相に作用しますので関係が深いはずです。
 ところで分数階積分は和分演算によって離散的に数値演算することができます。たとえば「差分演算子の表記をΔとすると、プランクの内挿公式1/(e^x-1)のxの部分にもし微分演算子Dが含まれていれば、プランクの内挿公式1/(e^x-1)は1/△という演算子にもみなすことができる。1/△は和分演算子である。=1/(e^D-1)=1/D-1/2+D/12-D^3/720+…となる。すなわち和分演算子を微分演算子Dを使った級数展開に表現できる。」と演算法をすぎもと氏から教わったばかりです。コンピュータで演算できそうですね。私にはその環境が現在ありません。 
 

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.16 12:02

*> 4次元以上の多次元の空間に共鳴などの運動があったらどんな形状・・・3次元ユークリッド空間のケプラー問題は、回転群SO(3)の作用・・

 引力のような距離に反比例のポテンシャルから解に得られる双曲線、放物線、楕円は円錐曲線とよばれるようです。名は円錐体を平面で裁断すると境界に得られる曲線だからだそうです。
 円錐体という一括りには、ポテンシャルの距離に反比例という場合の解の性質がまとまるのかもしれません。ほかのポテンシャルの系列も何かの形状で括れそうに感じます。全ての曲線は何かのポテンシャルの系列の群になるんじゃないだろうかと推測できます。
 ところで引力は距離に反比例のポテンシャルですが、ケプラーの法則によると惑星の軌道径に特定の関係が見つかり、それがプラトン立体の形状とも深い関係にあることが知られています。プラトン立体は元素の周期性にも当てはまるそうです。さらに惑星の軌道径関係には1/f関係も見つかりそうです。
 たとえばおなじポテンシャルの反比例関係で、円錐体と正多面体のプラトン立体のように数種類の形状が見つかるわけですが、そういう形状から2乗や3乗などにも新しく形状をイメージできればいいなと思うわけです。そして次元が3次元よりも大きい次元の空間で起きた共鳴に対しても拡張できればいいなと希望があるのです。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.16 13:28

>>陰極線の電子には具体的にpやxは与えられるでしょうか。否です。

無限に続く切れ目や端のない、永遠に揺れる波にはp、qが定まらないのでハイゼンベルクによって構築された行列力学数値解はできません。
 行列力学は量子に可能な演算です。
 ところが江崎の行列はスキャッタリングパラメータという高周波通信工学のなので行列力学とは別物です。こちらでの数値演算は可能です。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.17 09:36

WSです。

伴さまより、以下の2件のコメントをいただきましたが、内容の一部にWSへの私信が含まれていました。 その部分を除いて掲載します。

ご了承ください > 伴さま。


2013/12/16 17:42 伴さまよりのコメント

***** 引用はじめ *****
(___省略___)
外村氏はたしかベクトルポテンシャルを確認した業績で必ずやノーベル賞と目されていたのですが、その前に数か月前の今年のことですが残念なことに逝去されました。
 ベクトルポテンシャルAの実験だけでなく電子波として電子は存在し量子ではないことが確認できたことが私にとっては大きな外村先生の業績です。量子なら運動量や位置がありますが、電子の電子波がフーリエ変換に定義された波動であれば、pとqは定めることができません。
***** 引用おわり *****


2013/12/17 9:27 伴さまよりのコメント

***** 引用はじめ *****
(___省略___)
私の論文「熱・・る解」(2)から(8)式は放送大学の阿部龍蔵(WS注:阿部龍蔵 川村清の「量子力学」放送大学 日本出版協会、のこと)の式を組み合わせて再構成しています。
(2)⇒142頁
(3)⇒143頁(6)
(4)⇒143頁(2)
(5)⇒143頁(5)
(6)⇒145頁(9)
***** 引用おわり *****

投稿: Wave of sound | 2013.12.18 14:36

> 陰極線の電子には具体的にpやxは与えられるでしょうか。
> 否です。

伴さまはWSの質問の意図を誤解されたように思います。おそらく、工学系と理学系で、演算子とかハミトニアンという用語の意味や用語から受ける印象が違っているのでしょう。 質問の中でWSは、これらの用語を(量子力学ではない)古典力学的な意味で使ったわけではありません。

WSがお聞きしたかったのはご論文「熱陰極からの1/fノイズのシュレディンガー方程式による解」の3節において、熱陰極近傍の(1体の)電子の状態は、どのような法則で時間発展すると仮定しておられるのか。具体的にどのようなモデルを想定しておられるのか、ということです。

たとえば直線(x軸)に沿って、ポテンシャルV(x)の中で非相対論的速度で運動する質量mの粒子の時刻tにおける量子状態が、波動関数ψ(t,x)で表されるとします。

波動関数ψ(t,x)の時間発展は、シュレディンガー方程式

i hbar ∂ψ(t,x)/∂t = H ψ(t,x)

で決まります。ここで、右辺にあるハミルトニアン H は次のような線型作用素です。

H = (-i hbar ∂/∂x)^2 /(2m) + V(x)

= p^2 /(2m) + V(x)

(ただし、p = -i hbar ∂/∂xは微分作用素。また、V(x)は、関数f(x)にV(x)を掛ける作用素、つまり、関数 x |→ f(x) に関数 x |→ V(x)f(x) を対応させる作用素。)

かりに調和振動子ならポテンシャル V(x) は V(x) = mω^2 x^2 /2 ですし、一様電場中の電子を考えるならば V(x) = e E x となります(Eは電場の大きさ)。

質問したかったのは、熱陰極近傍の電子においては、ポテンシャル V(x) はどのような形に仮定しておられますか。また、ハミルトニアン H の第1項(運動エネルギーの項)はふつうは上記のように (-i hbar ∂/∂x)^2 /(2m) すなわち p^2 /(2m) だと思いますが、それでよいですか、ということです。

こうした質問をする意図は、熱陰極の内部(金属)の結晶格子が作る周期ポテンシャルに注目しておられるのか、あるいは、電子が飛び出したあと、真空中あるいは希薄な中性気体中で電場によって加速される状況に注目しておられるのか、を理解して、問題の時間スケールや空間スケールをはっきりとイメージしたいからです。

投稿: Wave of sound | 2013.12.18 15:46

Q >熱陰極の内部(金属)の結晶格子が作る周期ポテンシャルに注目しておられるのか、あるいは、電子が飛び出したあと、真空中あるいは希薄な中性気体中で電場によって加速される状況に注目しておられるのか、を理解して、問題の時間スケールや空間スケールをはっきりとイメージしたいからです。

A 毎回、ほんとうに的を得たご質問、ご理解にびっくりします。吸収が速いので楽しみです。説明のし甲斐があります。
 ここで今までに習ったのと違う新しいイメージを持っていただくことになるのかもしれません。

 私には場について今まで作り上げたイメージがあり、それでもまだわからないイメージもあります。
 
 イメージできていないとは、系の境界端がどこにあるかです。系の中で計算は成り立つでしょう。系の端、境界は陽極と陰極なのか、もしかして電源と装置の回路にとどまらず、宇宙全体に至るのか。人間が勝手な思いで定めた境界に宇宙の原理は従ってくれるのかわからないのです。真空管内壁を境界面と定めたり、断熱壁で定めたり、決めているのは人間の都合、勝手な思い込みに見えるのです。カオス理論から定式化して統一原理が見つかった時にその問いかけの答えは完結するのでしょう。

 話を戻して「周期ポテンシャルに注目・・あるいは加速される状況に注目か」を仮説により説明してみます。
 まず真空管では陰極を原点にして陽極へと一次元方向で初期状態に加えた電界ポテンシャルが働きます。すると陰極と陽極間の電圧のポテンシャルに比例した一定速度の進行電子波が発生します。外村の真空管のように電子波は電子1個に対し複数本生まれ、合計して量子1単位分の電子波になります。ところが量子ではないので電子波は空間で徐々には加速されません。しかし電子波には速度があり陰極から陽極へ一本ごとに一定の進行速度があります。
 ただし電子波が干渉すると波束というソリトンがその系にでき、電子1個分には1個の波束ができるのでしょう。それらは見た目には運動します。波束の運動の結果は電子と認識されます。
 また等分配が波束に起き、エネルギーは電子ごとに一定値になります。その等分配は周波数にべき乗の性質を原因にして生まれるものです。。(数式で検証できます。)

 通電開始の当初では、陰極と陽極の間の真空はトンネル現象の観点から見れば、1単位のおおきな井戸です。なかにはトンネル顕微鏡のようにいくらか周期的障壁列を陰極線の通り道に含んでいる場合もあるでしょう。
 陰極線は陰極と陽極の間のポテンシャルのトンネル現象です。しかしこの現象には次に書くような発展があります。

 発展では、当初1単位の井戸が、進行方向の1次元を細分されて複数個の井戸に自己組織化します。きれいに並んだ周期的障壁列を作り上げます。そして真空で何もなかった空間が働き始めます。質点がその井戸位置それぞれに等質量で生まれます。質点の生まれることの説明は後で追ってします。
 そして1次元振動が始まります。ある質点がなにかの力を受けて首を振りジャイロのように回転したとします。するとジャイロの働きにより最初の振動とは90度向きを変え直交方向にも振動成分を与えます。結果に回転と2次元の振動になりました。
 進行方向と直行する面内に同じ理由で三次元目の振動が開始されます。これらはたがいにパラメトリック増幅し、共振が起きます。これらは渦の中で起きる現象です。
 すると三次元立方格子の格子点に井戸があり、ポテンシャルから質点が生まれます。もしこれが人為に開始されれば人工立方晶の完成というわけです。
 これが、二極真空管の中に起きます。質点を配置する作用力は電子波から生まれます。(数式で検証できます。)

 ですので「周期ポテンシャルに注目・・加速される状況に注目か」はどちらかと決めるなら「周期ポテンシャルに注目」です。でも周期的でない原始原初の一単位の井戸だけでも良いのです。発展の結果、周期ポテンシャルに成り上がります。

 一般学者から見れば私の考えは奇異でしょう。私がこの考えを発案するに至った現象があります。それをご紹介します。http://annex.jsap.or.jp/hokkaido/yokousyuu39th/B-29.pdf
をご覧ください。また「直流放電 ダストプラズマ」の二語でWEB検索するといろいろと似た報告が見つかると思います。
 報告では写真が注目点です。高周波通信理論での円形導波管のなかで生まれる定在波モードの図に似た位置にプラスチックビーズが捕捉されて一粒づつが格子状に配置されている写真が見つけられます。
 そこでは私の考え付いた人工結晶が、フラクタルから生まれた自己組織化の力によって発生しているのです。
 その傍証として高周波通信理論での円形導波管には超精密な工作が必須条件ですが、ダストプラズマには導波管がありません。また通電物に静電気の引力を述べるのは奇異です。傍証を重ねて述べれば、電子と樹脂ビーズとの間には粘着力がありませんから静電気の作用で周期整列を説明することができないと判断します。この観点で検索してみると電子波に限らず、物質波のすべての場合に質点を配置する力を見せた作用が存在しています。これが私の理論の検証の一部になります。

 まだ仮説に疑いを持っていらっしゃるでしょう。事実によって検証すべきことがらです。通説は捨ててください。

 そしてなぜ質点が無の真空に生まれるのか、ここで説明のために私は事実を見せなくてはなりません。これについても文献をご紹介します。
「貴志 浩三 静電冷却」でWEB検索するといろいろと報告が見つかると思います。必要ならPDFファイルを送ります。それはかいつまんで述べると、ドリルの刃先から工作物に放電すると異常な高速高エネルギーの移動があり、吸熱と発熱したという内容です。極小さな質量でもE=MCCの関係にある莫大なエネルギーの大きな熱量です。それが静電冷却に顔を出しています。物質波で質量を生んだ事例も存在します。それはhttp://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/421/421050.pdf
です。検索するなら「岩村康弘 重水素」がキーワードです。一気圧で多層膜を透過したら無の空間の膜上に物質が生まれたのです。

 通説を捨て、 「周期ポテンシャルに注目・・あるいは加速される状況に注目か」の答えを理解していただけたでしょうか。以上
 

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.19 12:01

Q >「・・周期ポテンシャルに注目して・・電場によって加速される状況に注目して」

AⅡ 伴です
 直流定常陰極線の初期条件は「一様電場中の電子を考えるならば V(x) = e E x となります(Eは電場の大きさ)」と井戸一個でトンネルするのと等価であるべきだと思います。

 発展後の格子点の質量での振子はイメージが固まってません。距離反比例かそのべき乗かさらに振動数の関数かは未知です。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.19 13:29

Q >調和振動子ならポテンシャル V(x) は V(x) = mω^2 x^2 /2 ですし

AⅢ>電荷密度波CDWの場合には伝搬路に障壁列(結晶)があるので、振子に働くおもな作用はイオン間の静電力なので最初から最後まで距離の自乗に反比例のポテンシャルで計算できると思います。

 外村の真空管(電子干渉顕微鏡)のような高真空には障壁列が無いのでそうはいきません。障壁列が最初にないもの、それと直流グロー放電のダストプラズマではCDWとちがって、場の発展やポテンシャルの式を未知と考えなくてはならないでしょう。いろいろですね。

投稿: 伴 公伸  | 2013.12.19 14:26

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 気柱 4 減衰しにくい定常波の形 | トップページ | 気柱 5 指数減衰モード(1) »