ドルは誰に買われてきたか---米国国債の地域別購入額の推移
昨年秋に「世界バブルの崩壊が軟着陸になるのか激突になるのかは原油価格の動向次第」という意味のことを書きました(記事)。
あのときには、原油価格が落ち着けば、オイルに依存した米国経済の貿易収支も改善し、信用危機に対処する時間的余裕が生まれるだろう、と考えていたのです。でも、この考えは間違っていたかも知れません。
次の図はこの数年間、世界のどの地域が米国国債を買ってきたか、を示しています(*1)。民間と政府の購入の両方を含んだものです。

図 (クリックで拡大)
外国勢の購入額そのものは年に総額25兆円(2500億ドル)くらいで、目立って減少しているわけではありませんが、その買い手は大きく変わっています。
数年前まで、主な買い手はアジア(日本、中国など)でした。現在、アジア勢の購入はほとんどゼロです(売っている、というほどでもありませんが…)。
現在の買い手は4分の3が英国、残りが中南米(ほとんどがブラジル(*2))です。原油や資源価格の高騰で中東諸国などから英国に流れ込んだマネーが米国に投資され、米国債購入などに向かっているものと思われます。
エネルギーや資源の価格の高騰そのものが米国の金融を支えている、という構図が見えてきます。資源価格が上昇している間はいいけど、ひとたび価格が下落しはじめたら、マネーが流入しなくなる。かといって、資源価格が高いままでは実体経済がもたない。昨年秋にWSが考えていたより、はるかに厳しい状況に、米国経済は置かれているのかも知れません。
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注 *1) FRBのHPの公開データから作成。2007年は、1〜11月までの総和を12/11倍した値。
*2) ブラジルは10%を超える高金利で海外からの投資を引きつけています。通貨レアル高を緩和するための為替介入で近年、外貨準備高(ドル準備高)が急増してきました。
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