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地球温暖化CO2原因説への懐疑論について(1)

京都会議から10年あまり。各国がやっとC02排出削減に本気になり始めた(?)いま、ネットでは温暖化CO2原因説への懐疑論が話題になっています。WSも気になって、少し調べてみました。

とはいえ、専門家じゃないので、思わぬ勘ちがいをしているかも知れません。おかしな点があれば、ご指摘いただければ幸いです。


■スベンスマルクというスター科学者の仮説

アフリカ大陸と南米大陸の海岸線の形が似ていることに気象学者ウェゲナーが気づいて「大陸移動説」を提案したのが1915年。彼の死後、その奇抜なアイデアの正しさが認められ、プレートテクトニクス理論として完成したのは約50年後のことでした。

私たちもいま、「宇宙気候学」とでもいうべき、新しい学問の誕生に立ち会っている可能性があります。気象学者ウェゲナーは地質学を驚かせましたが、今度は気象学がおどろく番かも知れません。

ちょうど京都会議と同じ1997年、デンマークの科学者スベンスマルクは、過去の地球の気候(気温)を決めるもっとも重要なファクターは、地球に降りそそぐ銀河宇宙線(高エネルギーの粒子)の量であった、という大胆な仮説を提案しました。この仮説は現在、(非気象学者の研究グループの間では)かなり有力なようです。

どういうことかというと、まず、CO2による温室効果などの他の要因を除外した場合、地球の気温はその反射率できまります。雲がたくさんあると太陽からの光線を宇宙へと反射してしまうので、地表は寒い。雲が少ないとあまり反射しないで日光が地面までとどき、地表は温かい。

では、雲の量はなにで決まるのか。それは、銀河宇宙線の量で決まる、とかれは主張します。銀河宇宙線がたくさん降りそそぐと、空気の分子を電離して、たくさんのイオンができます。そのイオンが凝結核となって水蒸気を集めるので、雲ができやすい、というわけです。ここまでをまとめてみます。

・銀河宇宙線が多い →雲がたくさんできる→気温が低くなる
・銀河宇宙線が少ない→雲があまりできない→気温が高くなる


■太陽活動の影響

では、地球に降りそそぐ銀河宇宙線の量はなにで決まるのか。それは太陽の磁場で決まります。

地球もふくめて、太陽系の広い領域を覆う太陽の磁場は、外からの銀河宇宙線のシャワーに対するバリアの役割をしています。太陽磁場が強いと、宇宙線はさまたげられて、あまり地球まで届きません。太陽磁場が弱いと、銀河宇宙線はたくさん地表にとどきます。

これを上の話と合わせると次のようになります(*1)。

・太陽磁場が強い→……→気温が高くなる
・太陽磁場が弱い→……→気温が低くなる


■仮説は正しいのか

太陽活動に11年周期があることは、太陽黒点の数の増減などの事実でよく知られています。太陽活動にあわせて太陽磁場も22年周期で変化しています(11年で磁場の向きが反転します)。

木の年輪が記憶しているデータによると、地上の気温の変動は、太陽光の強さ(11年周期)だけでなく、太陽磁場(22年周期)の影響も受けているようです。スベンスマルクの仮説を、単なる空想として退けるのは難しそうです。

太陽活動には、11年周期だけでなく、もっと長期の変動もあります。また、銀河宇宙線の量そのものも(おおもとの銀河由来の原因によって)変動します。それらがおもに、過去の地球の気温を決めてきた、というのがスベンスマルクたちの仮説です。


■温暖化CO2原因説はどうなのか

スベンスマルクたちの仮説はまだ、これから多くの検証が必要な段階だと思います。でも、WSの直観では、これはホンモノ。降りそそぐ宇宙線量が地球の気温を決める重要なファクターである、というアイデアはおそらく、未来の常識となるのではないでしょうか。

でも、だからといって、CO2が重要でない、というわけでは全くありません。

(続く)

______
*1) 地球に届く銀河宇宙線(主に陽子)の量は、太陽磁場の強さだけでなく、その向き(極性)の影響も受けるようです。理由はWSにはよくわかりません。どうしてなんでしょう(地球磁場との重ね合わせの問題かも)。

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