カテゴリー「雑感」の7件の記事

ジャーナリズムはこれでいいのか? NHKラジオ 経済評論家・内橋克人さん

(http://twitter.com/tokuratakakoより引用)

RT @naranoryusan: 再度取り上げます。「ジャーナリズムはこれでいいのか?」NHKラジオで経済評論家・内橋克人氏が民主主義・報道の自由を守るために魂の言葉で語っておられます。心ある者の琴線に触れずにはおれない真の言葉。何度も聞いてしまう・・・拡散を><! h ...
約3時間前 webから

RT @naranoryusan: 経済評論家・内橋克人の民主主義・報道の自由を守ろうとする魂の言葉。心ある人は拡散してほしい。  http://bit.ly/9gJIvi
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BiCGSTAB法による疎行列1次方程式のソルバ

大気電場の成因(雷雲内での電荷分離のメカニズム?)とか、開口端補正に対する粘性の影響など、いま考えている問題はいくつかあるのですが、手計算によるWSの解析的なアプローチはこのところ進展していません。

そんな折、etopirica5さんが円筒管の開口端補正についてのレビンとシュヴィンガーの理論値(半径×0.61)を、放射境界条件を用いた数値計算(有限要素法による音場解析)で再現しておられるのを発見。 アウトプットの質、量、スピードともにすごい方ですw

触発されて、上のような(WSにとっての)未解決問題に、数値計算でアプローチしてみよう、と思い立ちました。

まずは基本的な道具づくりからと、非対称疎行列を係数に持つ1次方程式Ax=bのソルバを作ってみました。 BiCGStab法で、前処理内部反復にSORを用いています。 記事の末尾に、ソルバ(f90モジュール)とサンプルプログラムを置いておきます。 ご自由にお使い下さい。 ただし、もし、バグなどあっても責任はとれませんので、ご利用は自己責任でお願いします。 今回は、開発のてんまつとモジュールの使い方を書きます。

計算時間ですが、以下に述べるようなn次正方行列Aとベクトルbに対して、うちの非力なPC(1.5GHz PowerPC G4)で、行列要素の値のセットと高速化のためのインデックス作成を含めて
n=10000のとき t=10.2秒
n=100000のとき t=152.5秒=2.54分
n=1000000のとき t=2300秒=38.35分
となりました。
計算時間はおよそnの1.18乗に比例しています。 2次元の100万要素くらいの定常問題なら、こうしたPCでもなんとかなるでしょうか。

(試した行列Aは次のような行列です。A ≡ D + F、ただし、Dは対角行列で、各対角要素は2以上3以下の一様乱数で与える。 Fは各行に-1以上1以下の一様乱数をランダムに10個配置した疎行列。 また、ベクトルbの各要素は2以上3以下の一様乱数で与える。)

開発段階では、行列の格納方法を変えるだけで桁違いの高速化が達成できたりしました。 まだまだ、改良の余地があると思います。 アドバイスをいただけたらうれしいです。


■最初の試み---ILU(不完全LU)分解による前処理つきのBiCGSTAB法

BiCGSTAB法というのは、係数行列が正値対称な場合のCG法(共役勾配法)を非対称行列に拡張したものです。 収束をよくするための前処理として、係数行列Aの不完全LU分解を併用する方法を最初に試しました。

Time
図1 (クリックで拡大)

次数nが大きくなるにつれて、ILU分解に時間がかかり、計算時間はおよそnの2乗に比例して増えます。 Aが疎行列であることを思えば、計算時間はnの1乗に比例してほしいところです。 ILU分解のアルゴリズムの再検討も行ったのですが、高速化する方法がわからなかった(^^;;

そこで、ILU分解を使わない方法を検討して、内部反復にSORを用いる方法を試しました。 対角優位の係数行列の場合にはとくに良さそうです。


■内部反復にSORを用いるBiCGSTAB+SORのハイブリッド

阿部邦美氏・張紹良氏・杉原正顯氏の発表:前処理のための内部反復をもつ一般化共役残差法とその内部解法に関する一考察 を参考に、BiCGSTABとSORを組み合わせた方法を試してみました。

Ilu_sor_cp
図2 (クリックで拡大)

この方法だと事前にILU分解を行う必要がないので、計算時間が約4割短くなりました。

しかし、依然として、計算時間はnの1乗ではなく、nの2乗に比例して増えます。どうしてなんだろう、と思って調べてみると、1次方程式を解く反復部分ではなくて、行列Aの非零要素を配列にセットし、行圧縮形式(Compressed Sparse Row (CSR) format)(*)に並べ替え、高速化のために対角要素のインデックスを作成する部分で時間を要していることがわかりました。

速く走ることばかり考えていたら、実はその前のシューズをはく部分で時間がかかっていた、みたいな感じです。

*) CSR形式については、以下を参照。
Yousef Saad, Iterative Methods for Sparse Linear Systems (iter1.pdf, chap3.4)


■格納順序を工夫して高速化

もともとは、行列Aの要素をどんな順序でセットしてもよいプログラムだったのですが、上で見たように、それではあまりにも時間を浪費するので、少し使いやすさを犠牲にすることにしました。 行列Aの要素は、まず第1行目の要素たち、つぎに第2行目の要素たち、... のように、上から順番にセットしなければならない、という制限をつけて、そのかわり高速化を可能にしました。 (同一行のなかでは、要素はどんな順にセットしても構いません。 上から順にセットする必要はあるが、左右の順序は任意です。)

Store_new
図3 (クリックで拡大)

これで計算時間は大幅に短縮し、次数nの約1.18乗に比例するようになりました。


■モジュール(BiCGStabSOR.f90)の使用法

1次方程式 Ax=b について

行列Aの次数n=10000
Aの非零要素を格納する配列の大きさ(概算で大きめに宣言)nf0=300000
内部でのSOR反復の回数itn=10
収束条件(残差÷初期残差)eps=1.0d-30
SORの加速係数omega=1.5

の場合で説明します。

----------
1) use BiCGStabSOR ... モジュールの使用を宣言します
2) real(8) :: b(n), x(n) ... 右辺のベクトルb, 解ベクトルxを格納する配列を宣言します
2) call allocate_aa(n, nf0) ... 行列Aの要素を格納する配列を準備します。最初は全ての要素がゼロです
3) 第1行目、第2行目、...の順にAの要素をセットします。 対角要素は非零である必要があります。
  do i = 1, n
   call add_aa(i, j1, val1) ... Aの第(i,j1)要素に値val1を加えます
   call add_aa(i, j2, val2) ... Aの第(i,j2)要素に値val2を加えます
   ...
   call make_index_row(i) ... Aの第i行目のインデックスを作成します
  end do
4) 右辺のベクトルbをセットします。
  b(1) = u1, b(2) = u2, ....
5) 解ベクトルxの初期値をセットします。(ゼロベクトルでもよい)
  x(1) = v1, x(2) = v2, ....
6) モジュールのメインルーチンを呼び出します。
  call BiCGStab(b, x, eps, itn, omega) ... xに解がセットされます
7) ここで解xの表示などを行います。
8) call deallocate_aa() ... 行列Aを格納していた配列を解放します
----------

解は、6)のメインルーチンBiCGStabで求まります。 この解xに、行列Aを左から乗じたベクトルy=Axを計算したければ、以下のようにサブルーチンtrans_Aを呼び出してください。(事前にreal(8) :: y(n)を宣言しておく必要があります)

call trans_A(x, y)

すると積Axがyにセットされます。

同様に、「call trans_A(z, y)」によって、Aと任意のベクトルzの積を計算してyに格納することもできます。


■使用例1 サンプルプログラム

末尾のサンプルプログラム test_BiCG.f90 とモジュール BiCGStabSOR.f90 を同一ディレクトリに置き、そのディレクトリに移動します。 コンパイルして実行します。 以下はg95を用いた場合です。

>>>>>
$ g95 -c BiCGStabSOR.f90
$ g95 test_BiCG.f90 BiCGStabSOR.o
$ time ./a.out
行列Aをセットし、インデックスを作成
連立方程式を解く
BiCGStab : iteration = 1 err = 0.3439110121467133
BiCGStab : iteration = 2 err = 0.1164432737586217
BiCGStab : iteration = 3 err = 0.06451884273381157
BiCGStab : iteration = 4 err = 0.020630954370641726
BiCGStab : iteration = 5 err = 0.006727731895106646
...
BiCGStab : iteration = 62 err = 1.8051163991796378E-28
BiCGStab : iteration = 63 err = 1.1466359963051961E-28
BiCGStab : iteration = 64 err = 1.5807610755819108E-29
BiCGStab : iteration = 65 err = 7.465540104283266E-30
BiCGStab : iteration = 66 err = 4.876834841150964E-31
i x_i (ax)_i b_i (ax-b)_i
1 -0.22718379891456397 2.6356894031632683 2.635689403163269 -8.881784197001252E-16
2 0.7909582558745546 2.0326006598770623 2.032600659877062 4.440892098500626E-16
3 0.22327875208768816 2.7630785314831896 2.7630785314831883 1.3322676295501878E-15
4 -0.4923048950956566 2.9563035743776704 2.956303574377671 -4.440892098500626E-16
5 -0.5758304521678598 2.7402388919144904 2.740238891914487 3.552713678800501E-15
.....
9996 -0.6908738292005479 2.165197746362537 2.165197746362537 0.
9997 3.3107586353027236 2.87137534352951 2.8713753435295075 2.6645352591003757E-15
9998 1.1468878038275612 2.7981291597243425 2.79812915972434 2.6645352591003757E-15
9999 1.1213607440230315 2.2077956653665733 2.207795665366575 -1.7763568394002505E-15
10000 1.2789141395192902 2.5819734537508343 2.581973453750834 4.440892098500626E-16
real 0m12.646s
user 0m10.202s
sys 0m0.317s
<<<<<


■使用例2 移流拡散方程式

2次元対流の中で粒子が拡散する場合の定常濃度分布を計算します。 正方形領域内に図のような対流があるとします。

Uzu
図4 (クリックで拡大)

拡散スピードにくらべて対流の速度が小さい場合(図5)と、大きい場合(図6)の定常濃度分布を、z軸に濃度をとって示しました。

V10
図5 (クリックで拡大)

V90
図6 (クリックで拡大)

境界条件は、奥の辺(高濃度)と手前の辺(低濃度)ではディリクレ条件、左右の辺ではノイマン条件としています。

拡散スピードにくらべて対流の速度が大きいと、ディリクレ条件を設定した辺の近傍で濃度勾配がとても大きくなります。 メッシュが粗いと濃度変化に追いつきません。 そうした場合にはメッシュを細かくして計算するか、あるいは、Scharfetter-Gummelの離散化スキーム(*)を使うとよいようです。

*) Scharfetter-Gummel Discretization Scheme for Drift-Diffusion Equations


■モジュールとテストプログラム

最後に、上で紹介したモジュール BiCGStabSOR.f90 とテストプログラム test_BiCG.f90 を置いておきます。

ダウンロード BiCGStabSOR.f90 (4.4K)

ダウンロード test_BiCG.f90 (1.7K)

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100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者 失踪の謎〜

今日の夜10時からNHK総合テレビで「100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者 失踪の謎〜」のアンコール放送があるようですね。

2年ほど前に見ましたが、ニュートン以来の微分積分という「硬い数学」から20世紀以降のトポロジーという「柔らかい数学」への流れを、宇宙はどんな形をしているのか、といった素朴な疑問とからめて、図でわかりやすく説明する非常に良質な番組でした。

トポロジーという分野の発展は、ポアンカレ予想(ポアンカレはアインシュタインと同じ頃のフランスの大数学者で、トポロジーの創始者です)という難問への挑戦と切り離せません。ところが、そのポアンカレ予想を解決して、数学のノーベル賞といわれるフィールズ賞を受賞したロシアのペレリマンは、授賞式に現れず、謎の失踪してしまうのです。

WS的には、ポアンカレ高校でのドーナツの形をした地球儀を使ったトポロジーの授業の場面がおすすめ。こんな授業を高校生の時に受けていたら、数学者になりたい、と思ったかも。

理系の高校生のみなさんには、5重丸のおすすめです。しばし、この世の諸事を忘れて、宇宙と数学の謎にひたりたい方もぜひ。10pmからなので、よい睡眠薬になったりして(笑)。

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地球温暖化CO2原因説への懐疑論について(2)

もし、過去の地球の気温はおもに太陽活動(太陽磁場)で決まってきた、というスベンスマルクたちの説が正しいならば、CO2排出削減は必要ないのか。

いや、それでもやっぱり、CO2削減をしたほうがよさそうだ、という話をしたいと思います。

ポイントを先に述べますと、現在の大気中のCO2濃度は歴史的に未経験の領域にある。だから、将来を予測する上で、頼るべきは古気候からの類推ではなく、物理法則である。物理法則は(少なくとも100年くらいの間は)温暖化の進行を示す、ということです。


■古気候が示すこと

過去65万年にわたり、大気中のCO2濃度は180〜300ppmの範囲を変動してきました。それに同期して、気温も7℃くらいの幅で上下しています。氷期と間氷期が10万年を1サイクルとして繰り返されてきました。

その変動の様子は、たとえば南極ドームふじ氷床コア分析や東工大の丸山茂徳教授のpdf 異説、気球温暖化 の図3や図9に見ることができます(過去の気温は、いくつかの仮定の下で同位体比率から復元できます)。

気温の変化がCO2濃度の変化に先行している、という解釈もできるようです。丸山教授は、コーラを温めると泡(CO2)が出てくる、と説明しておられます。

気温が上がると海水に溶けていたCO2が大気中に出てくるのでCO2濃度があがる。それが(温室効果により)さらに気温の上昇をもたらします(説明はたとえばこちらの「化学的バランス」の項)。同じメカニズムが、気温が下がる場合には、CO2濃度が下がり、それがさらに気温の低下をもたらす、という働き方をします(*1)。

スベンスマルクたちの仮説が正しいなら、宇宙線量の変化が雲の量(反射率)を変え、まず地球の気温が少し変わります。この小さな変化が、上記のコーラ・メカニズム(正のフィードバック)により増幅されて、先の図のような温度やCO2濃度の変化を生み出していることになります。


■現在の高いCO2濃度は歴史的に未経験

2005年現在、CO2濃度は379ppmに達して増え続けています。過去65万年間の範囲180〜300ppmを上回り、21世紀末には2倍の600ppmに達する勢いです。

確かに、過去においては気温の変化がCO2濃度の変化に先行していたかも知れない。しかし、現在は、CO2濃度が気温に先行して、異常に上がっている状態です。こんな事態は未経験です。

将来を予測する上で、頼れるものは、確かな物理法則しかありません。


■CO2濃度倍増の帰結

CO2の温室効果は、100ppmにつき約0.4℃です。WSは正しいと思っていますが、この値については、いろいろ懐疑論があるようです。付録で少しふれるつもりです。

21世紀末までにCO2濃度がさらに300ppm増えると仮定すると、0.4℃の3倍で、約1.2℃の気温上昇になります。

話はこれだけでは終わりません。海水面の温度が1.2℃上がると、水の蒸散がさかんになり、大気中の水蒸気(H2O)が増えます。H20も温室効果をもち、その効果はCO2の約2倍、つまり、2.4℃の気温上昇を引き起こします。

詳しくは、たとえば ココが知りたい温暖化「水蒸気の温室効果」 をご覧ください。

(丸山教授は上記のpdfの中で、CO2の温室効果(100ppmにつき0.4℃)は認めておられるのですが、水蒸気に触れておられません。海の比熱が大きいから蒸散は起きないと考えて、無視しておられるのだろうか。このあたりがIPCCの見解との違いなのかも知れません。)

結局、CO2と水蒸気の効果をあわせて、約3.6℃の気温上昇が引き起こされることになります。


■予防原則

3.6℃というと大したことではない、という感じがするかも知れませんが、気温が平均で3.6℃上がるというのは、かなり強烈なことです。

たとえば、1993年の夏、日本は冷夏でコメの実りが悪く、タイなどの海外から輸入しました(平成米騒動)。この年の北日本の夏(6〜8月)平均気温は、平年より2℃ほど低かっただけです。

よく知られているように、気温上昇にともなって、海面上昇や極端な気候、農業や生態系への影響があります。現時点では正確な評価ができないけど、ちょっとまずい正のフィードバック(暖まった浅海底からメタンの泡がブクブク...とか)で温暖化が加速するおそれもあります。

約3.6℃の気温上昇がおきる可能性が高いならば、予防原則で、やはりただちに対策をとるべき、という結論が妥当であると思われます。

(近年のCO2濃度の急上昇がおもに、化石燃料の燃焼でもたらされたことは、O2濃度の減少や大気CO2の炭素同位体比から、ほぼ確定的です。対策の中心は、CO2排出削減ということになります。)


■抜けていた話

ここでスベンスマルクに戻ります。

上の話では、雲の量(地球の太陽光反射率)は一定と仮定して、大気の温室効果だけ考えていました。

でも、もし何らかの外的理由で雲が増えるなら、反射率が上がり、地球を冷やします。その冷却効果が温室効果を打ち消す、あるいは場合によっては、温室効果にうち勝って、気温が下がるかも知れません。そのような可能性があるのでしょうか。

上記のpdfで丸山教授はまさにそのような可能性を指摘しておられます。堆積物の分析からわかる過去数十万年の気温変化を見ると、明日にでも寒冷化が始まり、50年で7℃下がってもおかしくないそうです。

ということは、CO2などによる温室効果がたとえば4℃なら、それを引いて、気温が3℃下がることになるのだろうか。あるいは、地球はそんな中途半端な状態は許容せずに、やっぱり7℃下がるのだろうか。

ただ、寒冷化が明日始まるのか、もう少しあとなのか、あるいは100年以内に起きるのかどうか、を10年くらいの精度で求めるには、琵琶湖の堆積物などを用いた、あと数年のさらなる研究が必要だそうです。ご研究の進展を期待したいと思います。


■地磁気と気温変動の関係

寒冷化の開始はいつなのでしょうか。これから先は半分、WSの妄想です。

まず、地球磁場にも氷期-間氷期のサイクルと同じ約10万年の周期で変動する成分が含まれていることに注目します(こちらの文献「赤道インド洋……」も)。

地球磁場は現在、弱まり続けています。このペースで減少を続けると、あと1000年を待たずして、消失する計算になります(ソース:地磁気を研究することの重要性の2ページ目の右図)。

太陽磁場と同様、地球磁場も、飛来する銀河宇宙線を妨げるバリアの役割をしています。その地球磁場が弱まると、宇宙線がたくさん降りそそぎ、雲がたくさんできます。すると、反射率が上がる。つまり、地球は寒冷化するはずです。

地球磁場が半減するまで約500年、その頃から寒冷化が始まると仮定しても、暴論ではないでしょう(かなり、強引^^;)。

つまり、丸山教授のおっしゃる地球の寒冷化はおそらく500年先の問題。
一方、CO2による地球温暖化はここ100年の問題です。

ということは、現時点では寒冷化より温暖化への対策を急ぐべき、とWSは妄想します。(本文、おしまい)


■付録

IPCCの見解に対する懐疑はたくさん表明されていて、反論もなされています(たとえば「地球温暖化問題懐疑論へのコメント」)。

この付録では、CO2の温室効果が100ppmにつき約0.4℃、という見積もりに対する有名な懐疑論のひとつ(上記文献の議論15、下記)について、WSなりに直観的な説明による反論を述べてみたいと思います。


議論15. 二酸化炭素は地球放射の赤外線をこれ以上吸収しない。したがってさらなる温室効果を持たない


<WSの反論>
地表(*2)の熱は、宇宙に向かって開いた赤外線の窓から逃げます。窓が99%閉じられ、1%しか隙間がないとしましょう。その隙間をさらに0.5%閉じて半分にすることは、実は気温に大きな影響を及ぼします。それを比喩で説明します。

底に穴のあいたバケツに、水道の蛇口から一定のスピードで水を注ぎ続けます。穴が大きければ水はほとんど貯まりません。穴から漏れてしまうからです。

穴が小さければ、ある程度たまります。水面はある高さ(たとえば底から10cm)に保たれます。

穴の大きさを半分にすれば、さらにたくさんの水がたまります。水面はさきほどより高く(たとえば底から20cmに)保たれます。

穴の大きさが小さいほど、水面は高くなります。バケツがじゅうぶんに深ければ、水面は非常に高くなりえます。

もちろん、ここでバケツの穴は赤外線の窓に、水面の高さは地球の気温に対応しています。CO2濃度が増えると、すでに十分に狭い窓の隙間が、さらに狭くなる。でも、そのわずかな違いが、気温の大きな上昇をもたらします。これがまさにおとなりの惑星、金星で起きていることです。(おしまい)

______
*1) 省略しましたが、水蒸気(H2O)の温室効果の方がより重要です。
*2) より正確には、対流圏上部。

------
(2008.7.4付記)関連報道:屋久杉を使って1100年前の太陽活動の復元に成功
(2008.7.8付記)ブログ記事:増田耕一氏の読書ノート [本] 『地球温暖化』論に騙されるな!(丸山 茂徳, 2008, 講談社)
(2008.10.30付記)ブログ記事:丸山茂徳氏の地球寒冷化論への反論(関良基氏のブログ『代替案』、2008年10月16日)
 ---地球上の植物に関しては、現在までのところ地球温暖化正のフィードバック効果を加速させる要因にしかなっておらず、負のフィードバック効果が発生する兆候すら見えないのです。珊瑚も同様です。---

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地球温暖化CO2原因説への懐疑論について(1)

京都会議から10年あまり。各国がやっとC02排出削減に本気になり始めた(?)いま、ネットでは温暖化CO2原因説への懐疑論が話題になっています。WSも気になって、少し調べてみました。

とはいえ、専門家じゃないので、思わぬ勘ちがいをしているかも知れません。おかしな点があれば、ご指摘いただければ幸いです。


■スベンスマルクというスター科学者の仮説

アフリカ大陸と南米大陸の海岸線の形が似ていることに気象学者ウェゲナーが気づいて「大陸移動説」を提案したのが1915年。彼の死後、その奇抜なアイデアの正しさが認められ、プレートテクトニクス理論として完成したのは約50年後のことでした。

私たちもいま、「宇宙気候学」とでもいうべき、新しい学問の誕生に立ち会っている可能性があります。気象学者ウェゲナーは地質学を驚かせましたが、今度は気象学がおどろく番かも知れません。

ちょうど京都会議と同じ1997年、デンマークの科学者スベンスマルクは、過去の地球の気候(気温)を決めるもっとも重要なファクターは、地球に降りそそぐ銀河宇宙線(高エネルギーの粒子)の量であった、という大胆な仮説を提案しました。この仮説は現在、(非気象学者の研究グループの間では)かなり有力なようです。

どういうことかというと、まず、CO2による温室効果などの他の要因を除外した場合、地球の気温はその反射率できまります。雲がたくさんあると太陽からの光線を宇宙へと反射してしまうので、地表は寒い。雲が少ないとあまり反射しないで日光が地面までとどき、地表は温かい。

では、雲の量はなにで決まるのか。それは、銀河宇宙線の量で決まる、とかれは主張します。銀河宇宙線がたくさん降りそそぐと、空気の分子を電離して、たくさんのイオンができます。そのイオンが凝結核となって水蒸気を集めるので、雲ができやすい、というわけです。ここまでをまとめてみます。

・銀河宇宙線が多い →雲がたくさんできる→気温が低くなる
・銀河宇宙線が少ない→雲があまりできない→気温が高くなる


■太陽活動の影響

では、地球に降りそそぐ銀河宇宙線の量はなにで決まるのか。それは太陽の磁場で決まります。

地球もふくめて、太陽系の広い領域を覆う太陽の磁場は、外からの銀河宇宙線のシャワーに対するバリアの役割をしています。太陽磁場が強いと、宇宙線はさまたげられて、あまり地球まで届きません。太陽磁場が弱いと、銀河宇宙線はたくさん地表にとどきます。

これを上の話と合わせると次のようになります(*1)。

・太陽磁場が強い→……→気温が高くなる
・太陽磁場が弱い→……→気温が低くなる


■仮説は正しいのか

太陽活動に11年周期があることは、太陽黒点の数の増減などの事実でよく知られています。太陽活動にあわせて太陽磁場も22年周期で変化しています(11年で磁場の向きが反転します)。

木の年輪が記憶しているデータによると、地上の気温の変動は、太陽光の強さ(11年周期)だけでなく、太陽磁場(22年周期)の影響も受けているようです。スベンスマルクの仮説を、単なる空想として退けるのは難しそうです。

太陽活動には、11年周期だけでなく、もっと長期の変動もあります。また、銀河宇宙線の量そのものも(おおもとの銀河由来の原因によって)変動します。それらがおもに、過去の地球の気温を決めてきた、というのがスベンスマルクたちの仮説です。


■温暖化CO2原因説はどうなのか

スベンスマルクたちの仮説はまだ、これから多くの検証が必要な段階だと思います。でも、WSの直観では、これはホンモノ。降りそそぐ宇宙線量が地球の気温を決める重要なファクターである、というアイデアはおそらく、未来の常識となるのではないでしょうか。

でも、だからといって、CO2が重要でない、というわけでは全くありません。

(続く)

______
*1) 地球に届く銀河宇宙線(主に陽子)の量は、太陽磁場の強さだけでなく、その向き(極性)の影響も受けるようです。理由はWSにはよくわかりません。どうしてなんでしょう(地球磁場との重ね合わせの問題かも)。

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電子投票制度の導入に疑問あり

--- 選挙の投開票プロセスは、透明で、かつ、誰にでも理解でき、素人が容易に検証できるものでなければなりません。技術を管理できる少数の者だけに、民主主義の基礎を委ねてはいけません。これはコスト(費用)よりはるかに重要なことです。 ---

   ***

電子投票を国政選挙に導入することに、自公民の3党が合意し、今国会で成立する見込みになったそうです(記事)。WSはこの決定が日本の民主主義を根底から破壊してしまうことを、深く憂慮します。国会議員の皆さまの熟慮と、3党合意の撤回を期待します。

電子投票システムでは、投票の判別、カウント、最終集計の各プロセスにおいて、管理者やあらかじめインストールされたプログラムによる、あらゆる不正が可能です。このことは、プログラミングに少しでも関わったことのある人ならば、明らかです。また、不正が行われたことを外部から効果的に検証する手段がありません。

誰かが選挙結果を、不正に操作したいと考えたとします。従来の人と紙による投開票では、全国の地方公務員300万人などの相当部分を巻き込む必要があり、大規模な不正はまず不可能です。しかし、電子投票制度が導入されれば、わずか数名のプログラマーを買収するだけで、選挙結果を思いのままに作りあげることが可能になってしまいます。実際、2000年の米国大統領選挙では、電子投票が行われた州で、一部のメーカーの投票機にそのような不正の疑いが指摘されています。

民主主義を支える選挙の投開票プロセスは、透明で、かつ、誰にでも理解でき、素人が容易に検証できるものでなければなりません。技術を管理できる少数の者だけに、民主主義の基礎を委ねてはいけません。これはコスト(費用)よりはるかに重要なことです。

いまから100年後か200年後には、人間の理性と知性はもっと進歩して、赤ん坊でもRSA暗号の原理を理解できるようになるかも知れません。電子投票制度の導入は、その頃に再検討してみてはどうでしょうか。

(注)通信経路の暗号化や、投票に対してレシートのようなものを発行するといった改善策も提案されていますが、投票判別、カウント、最終集計の全プロセスを網羅するものではなく、全く不十分です。また、こうした改善策では、外部からの検証可能性や透明性は確保されません。

参考リンク:
高リスクの脅威が3つ--どうする日本の電子投票

国政選挙における電子投票の脆弱性
電子投票普及協業組合

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雑感 タイタンには生命が存在するのではないか

NASAの土星探査機カッシーニから分離され、1月14日に土星最大の衛星タイタンに着陸したESA(欧州宇宙機関)の観測機ホイヘンスが送ってきた写真には本当にびっくりさせられました。

「湖」があり、「浜辺の小石」があり、「峡谷」や「島々」まで地球そっくりです。「雲」や「霧」もあります。

ただ、違っているのは、零下170度、1.5気圧のタイタンの地表に雨として降り、流れているのは水(H2O)ではなくてメタン(CH4)の液体であり、逆に「浜辺の小石」の岩石が水(H2O)の凍ったもの(氷)なのだそうです。「雲」や「霧」もメタンの液体からできています。

NASAのホームページ
http://saturn.jpl.nasa.gov/news/events/huygensDescent/index.cfm
ESAのホームページ
http://www.esa.int/SPECIALS/Cassini-Huygens/index.html


   ***

この話を聞いて、英国のラブロック博士の説を思い出したのは私だけでしょうか。

太陽の輝きが徐々に増しているにも関わらず(といっても何億年に数%というゆっくりとした割合ですが…)地球がここ何億年もの期間、暑くなったりせずに(地球上の)生命にとって快適なほぼ一定の温度や大気圧の環境に保たれているのは、他ならぬ生命活動が原因だ、と博士は主張します。

非常に単純化した例で説明しますと、例えば、植物や植物プランクトンが行う光合成の活発さは大気中の二酸化炭素濃度を変動させます。すると、太陽活動が変化しても

●太陽が明るくなる→光合成が活発になる→二酸化炭素濃度が減る→温室効果が弱くなる→気温がそれほど上がらない

●太陽が暗くなる→光合成が不活発になる→二酸化炭素濃度が増える→温室効果が強くなる→気温がそれほど下がらない

というように、生命活動があれば、ない場合に較べて、太陽活動が変化しても気温がそれほど変化しないというわけです。

   ***

あるいは、次のように考えるとわかりやすいかも知れません(以下は私なりの解釈です)。

今かりに、地球の気温が何らかの原因で一時的に5度だけ上がってしまったとします。そして、生命の活動がないと仮定します。何が起きるでしょうか。

かなり想像を交えて推測しますと、極地の氷は溶け出し、ツンドラの地下にあった二酸化炭素やメタンガスが大気中に放出されるでしょう。これらは強力な温室効果をもたらします。さらに、極地の氷がなくなって黒い地面が顔をだすので、太陽光線の吸収率があがり、これも気温の上昇につながります。極地の氷が解けて海水を薄めるので、深海と海の表面との間の海水の大循環が止まり、海面付近の海水温が上昇します。これは浅海の温度を上昇させ、浅海底のメタンハイドレートからのメタンガスの放出を促し、さらに温暖化を加速させます。
気温上昇を妨げるプロセスもないわけではありません。例えば、気温が上昇すると海からの水の蒸発が増えるので、雲が増えて太陽光線の反射率があがり、気温が低下する方向の効果につながる、ということもあるでしょう。しかし全体としては、気温はとめどなく上昇して、地球は金星のように厚い雲で覆われた灼熱の惑星になってしまうのではないでしょうか。

そうしたことが起こらずに気温がほぼ一定に保たれているのは、生命活動のおかげだ、というわけです。ラブロック博士の説が正しければ、他ならぬ生命自身が、地球上の気候システムを、自らの生存に快適なように制御している、と言えるでしょう。

    ***

この説には反論もあります。
別に生命など考えなくても、化学的なプロセスだけで地球の気温は説明できるとする考えです。

例えば、コップに水と氷を入れて全体が0℃になっているとします。これを少々温めようが、冷やそうが、氷と水が共存している限り、(氷は大きくなったり小さくなったりしますが)全体は0℃に保たれています。氷が解けるには大きな融解熱が要りますし、逆に水が凍るときには、大きな凝固熱を放出するからです。

地球の場合にはもっともっと複雑な複数のプロセスが関係しているだろうが、似たようなことが起こっているだろう。気温や気圧を維持している主要なプロセスは、生命活動には無関係だろう、というわけです。

   ***

私は、どちらが正しいのか知りません。でも、心の琴線に触れるのは、断然、ラブロック博士の説の方です。なので、惑星の環境が微妙な一定の値に保たれているなら、生命活動が関係している可能性があるのではないか、と考えたくなります。

タイタンは、実に微妙な温度と圧力に保たれています。メタンの液体と気体が共存し、雲や霧となることができる状態に保たれているのです。これを行っている生命がいるのではないでしょうか。水の代わりにメタンを体液に持つような想像を絶する生物がいるのでしょうか。バクテリアのようなものなのでしょうか。それとも、もっと進化しているのでしょうか。想像するだけで、わくわくする話です。

最後に、この写真をみてください。赤外線や紫外線を可視化したものではありますが、タイタンは実に美しいと思いませんか。なにかがここで生きている、そんな気がしてなりません。

http://saturn.jpl.nasa.gov/multimedia/images/image-details.cfm?imageID=1193
http://saturn.jpl.nasa.gov/multimedia/images/image-details.cfm?imageID=1162
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参考リンク
(2007.12.1追記) : タイタンの生命は水なしで繁栄するかも知れません/今日のNature
(2007.12.23追記) : アセチレンの三重結合を切る際に解放されるエネルギーによって代謝する生物なら可能ではないか

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